イケアのイカす階段広告
2009/09/02 07:50


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階段を下から見た図と上から見た図。階段の段差がそのままタンスの引き出しのように描かれている。
漫画などでタンスの引き出しを段差が付くように開けて、階段のように用いて上に登る子供や猫の様子が描かれることがある。この広告はそれを逆手にとり、階段をタンスの引き出しのように見せている。この階段を使おうとした人は、まず驚き、そしてタンスを想像し、さらに「(イケアの家具で)スペースを作ってそこにきれいに洋服をしまっちゃおう」というメッセージとイケアのロゴを目にする。驚きで揺さぶられた心境がメッセージとロゴで「なるほど」感に変わり、心に深く刻まれるという次第だ。

「階段広告」制作過程
画面だと「タンスの中の洋服たち」は本物のように見えるが、実際はそうではない(本物だったら階段として使えない)。制作過程の写真を見ると、側面部分はタンスに見える専用の板を貼り、ステップ部分は【高所恐怖症の人には絶対降りられない階段】のように、デカール(写真シール)を貼りつけたようだ(あるいはステップ部分も、プリント済みの薄いべニア板なのかもしれない)。
普段何気なく利用している身近なものを、自社商品になぞらえて連想させ、強い印象を与える方式は、例えば【エスカレーターを利用した素敵な広告……手すり編】や【エスカレーターを利用した素敵な広告……ステップ編】などにもあるが、なかなかすぐにはアイディアとして思い浮かびにくい。しかしだからこそ、今回の「階段」=「タンスの引き出し」のようなイメージがぴったり合うものに出会うと、驚きと共に素朴な「うれしさ」「気持ちよさ」を感じてしまうのは当方だけではあるまい。
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