テレビはブランド力向上、ネットは特定のお客さん向け……企業のメディア利用目的の違い

2009/08/31 08:25

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広告イメージ総務省は2009年8月20日、インターネット検索エンジンの現状と市場規模などに関する調査結果を公表した。それによると、テレビやラジオ、新聞・雑誌のような既存メディアと比べてインターネット関連のメディアは、特定の層に向けた認知度の向上に利用される傾向があることが明らかになった。特にブログ、メールマガジンはその傾向が強いとのことである(【発表リリース】)。


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今調査はインターネットを5年以上活用している大企業・中堅企業・中小企業390社を対象としたアンケート結果によるもの。調査要件詳細は結果詳細と共に後日【情報通信政策研究所】から発表予定。

調査対象となった企業に、各種メディアの利用目的(≒広告展開、プロモーションの場としての利用)を尋ねたところ、テレビ・ラジオは「幅広い顧客への認知度向上」に対する期待が強く、過半数に達していた。似たような傾向はパソコン向けのウェブサイトにも見られるが、「ブランドイメージの向上」の点で大きくテレビ・ラジオに劣る。

企業によるウェブサイト等のメディア利用の目的
企業によるウェブサイト等のメディア利用の目的

・テレビやラジオ、新聞・雑誌などの既存メディアと比較して、インターネット関連のメディアは「特定層に向けた認知度の向上」に利用される傾向がある。
・ブログやメールマガジンはとりわけ「特定層への認知度向上」の利用傾向が強い。
・ショッピングモールは店舗や販売サイトへの誘導に利用される(それが目的なのだから当然)。
・ウェブサイト(PC)とテレビ・ラジオは似たような傾向を示しているが、「ブランドイメージの向上」の点でテレビ・ラジオが大きく勝る。一方「特定顧客への認知度向上」ではテレビ・ラジオがほとんど無いのに対し、ウェブサイト(PC)はそれなりに多くの企業が用いている。

「テレビ・ラジオ」「新聞・雑誌」の4大既存メディアにおいて「ブランドイメージの向上」の割合がインターネット関連メディアより相当大きいところを見ると、広告などの展開ハードルが高いゆえに「ブランド力」はまだそれなりに高いことが確認できる。一方でインターネット系メディアでは、元々利用者側が何らかのアクションを起こさなければ視野にとらえられないタイプのメディアであるため、顧客の趣向を絞りやすく、それゆえに「特定の顧客への認知度向上」の割合が大きい。

もちろん双方とも、「企業側の期待」であり、思った通りの成果が出るとは限らない。例えばテレビに広告を流したところで「ブランドイメージの向上」が必ずかなうわけではないし、インターネット上のメールマガジンで特定層に向けた広告を打っても、100%マッチした読者の目に留まるとは言い難い。

それでもなお、この結果は個々のメディアが持つ特性を、ある程度的確に示しているものといえる。同じ媒体内でも多種多様な性質を持ち、また費用対効果の問題もあるため一概には言えないが、何か物事を告知したい場合、求める効果にマッチする媒体を選ぶべきだろう。


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