【更新】Vジャンプ20%超の伸び、ドラクエ最新作特需か…ゲーム・エンタメ系雑誌部数動向(2009年4月-6月)

2009/08/31 08:23

【社団法人日本雑誌協会】は2009年8月26日、2009年4月から6月分の印刷部数を公表した。主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータで、正確さという点では各紙が自ら発表している「公称」部数よりはるかに高精度、リアルな値である。今回は、【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2009年4月-6月データ)】に続き、「ゲーム・エンタメ系」のデータをグラフ化し、前回掲載記事からの推移を眺めてみることにする。

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データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」などの用語説明は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】に収録されている。そちらで確認をしてほしい。

それでは早速、まずは2009年の4-6月期と2009年1-3月期における印刷実績を見てみることにする。

2009年の1-3月期と2009年4-6月期におけるゲーム・エンタメ系雑誌の印刷実績
2009年の1-3月期と2009年4-6月期におけるゲーム・エンタメ系雑誌の印刷実績

残念な話ではあるが、今回「YOMIURI PC」が脱落。詳細は[告知ページにあるが]、3月24日発売号(5月号)で休刊してしまっている。前回のデータが事実上最終号のデータギリギリだったわけだ。一方で該当ジャンルにおいては追加された雑誌は無かった。

状況についてだが、中堅層に一部順位の変動が見られる。たとえば前回に続き「ファミ通DS+Wii」が後退していたり、「電撃PlayStation」と「Hobby Japan」が入れ換わっていたりなどだ。しかし大勢として「Vジャンプがずば抜けた売上」「週刊アスキーの健闘」「アニメ系ではニュータイプがトップ」などの傾向は3か月前と変わらない。この傾向は4四半期、つまり1年間継続したことになる(このジャンルの鉄板的傾向ということか)。

また、いわゆる「季節特性」(前回が、冬休み後半・春休みが該当期間のため「通勤・通学の際に購入されやすいタイプの雑誌の印刷数が減った(=販売数が減る)ので、今回は反動で増える傾向にある)はあまり見られなかった。むしろ印刷数を減らしてしまったものも少なくない。

次に直近3か月における印刷数の変移はどのようなものか、グラフ化してみることにする。

雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系)
雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系)

3か月単位の変動値であり、季節特性だけでなく「取り上げている作品の人気」「新作映画やゲームとの関連」「付録」「前回期の動向」など、イレギュラー性の高い要因に大きく左右される可能性が高いことをあらかじめ書き記しておく。とはいえホビー系の雑誌は多かれ少なかれそれを宿命としており、その「イレギュラー性」を乗り越えねばならない。たとえばゲームソフト自身に大ヒット作が出なかったからといって「ゲーム専門誌も売れませんでした」では経営陣も首を縦にはふるはずも無い。

突発性要素による「ぶれ」の範囲をプラスマイナス5%台とやや甘めに見て区分わけすると、ネガティブが5誌、ポジティブが3誌となる。前回とはあまり状況に変わりはないように見える。その一方、「ファミ通DS+Wii」は【電撃DS&Wii、今月発売号で休刊へ】で伝えているように他社同ジャンル誌が休刊していること、前期でもマイナス25.9%と大きく販売数を減らしていることから、行く末が非常に気になるところだ。

Vジャンは躍進中。
ファミ通DS+Wiiが心配。
一方で「Vジャンプ」と「アスキー・ドット・ピーシー」の伸びが目立つ。「Vジャンプ」は該当期発売号を調べると、『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』関連の情報掲載、そして「遊戯王」の限定カードプレゼント(通販)が大きくプラスに働いているようだ。一方、「アスキー・ドット・ピーシー」は前期に続き大幅な伸びを見せているが、はっきりとした理由は不明。付録のDVDに対する人気が集まっているのだろうか。

一方で前期堅調ぶりを見せた声優系雑誌はやや軟調。もっとも「誤差」の範囲なので、それほど心配する必要はないものと思われる。

さて、一応2期間の印刷部数を棒グラフ化したわけだが、続いてこのデータを元に各誌の販売数変移を計算し、グラフ化してみることにする。短期間の変移ではむしろこのデータの方が重要だろう。

要は約3か月間にどれだけ印刷部数(≒販売部数)の変化があったかという割合を示すものだ。なお当然ながら、今回データが非開示となった雑誌、今回はじめてデータが公開された雑誌はこのグラフには登場しない。

雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系、前年同期比)
雑誌印刷実績変化率(ゲーム・エンタメ系、前年同期比)

最近頑張っている「アスキー・ドット・ピーシー」や、独占企画・他メディアとの連動企画で独自性を次々に打ち出している「Vジャンプ」など一部を除けば、多くの雑誌が多少なりとも部数を減らしている。「2割、3割引きは当たり前!」のレベルに達していないのは幸いだが、下の方に見える数誌の今後が少々心配ではある。



【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2009年4月-6月データ)】と比べるとややマシではあるが、前年同期比データを算出すると、やはりこのジャンルでも全般的に苦戦していることが分かる。今ジャンルの「アスキー・ドット・ピーシー」「Vジャンプ」も、コミック誌の「ヤングアニマル嵐」も、「他誌には無い、自分のところだけのオリジナリティ・コンテンツ」が際立つ傾向があり、それが読者に受けて印刷数(販売数)を伸ばしているように見える。

ただでさえ可処分所得が減少の傾向を見せ、携帯電話や携帯ゲーム機に時間を奪われる昨今。お金や時間を割いても「手にとって読みたい」と思わせるだけの魅力を出すには、「ひと山何百円」に見える同じようなもの、では無く「限定何個、これっきりの特別販売品」に見える個性的なものを提示していく必要があると思われる。もちろん、その個性が強すぎて皆に敬遠されてしまっては身も蓋もないが。


■関連記事:
【ゲーム・エンタメ系雑誌の部数変化をグラフ化してみる(2009年1月-3月データ)】

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