【更新】厚生労働省発表の新型インフルエンザ関連の最新資料を箇条書きにまとめてみる

2009/08/30 10:21

まとめイメージ[読売新聞][日経新聞]などが伝えているように、厚生労働省は2009年8月28日、新型インフルエンザ(インフルエンザA(H1N1))の今後の日本国内における流行に関する試算を発表、流行ピークになると思われる10月には「1日76万人の新規患者」「該当入院患者数は4万6400人」などの状況が想定されることを公開した。今件試算はまだ厚生労働省の公式ウェブサイトに記載されていないので解説は後日になるが、これに先駆ける形で同年8月27日に開催された「新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会」で用いられた配布資料などが公開されていた(【該当ページ】)。今回はこれらの資料から、個人ベースで気になると思われる点、留意点などを抽出してみることにする。

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まずは27日に公開された【新型インフルエンザの今後の対応(PDF)】から。【子供と妊婦と新型インフルエンザ】でも伝えているように、日本国内では感染状況が一番先行していると思われる沖縄の状況と対策について触れている。それと共に、次のようなことが語られている。

・年内のワクチン国内生産量は1300-1700万人分。不足分は輸入で確保。出荷は10月下旬から。基礎疾患保有者などの重症化の防止が主目的。
・抗インフルエンザウイルス薬や医薬品、医用品確保、安定供給を要請。

「感染防止」のためのワクチンは、重症化のリスクが高い基礎疾患保有者や、医療関係者に優先される。勘違いしている人が多いのだが、ワクチンは「特効薬」でも無ければ「完全な感染防御薬」でもない。摂取したからといって新型インフルエンザに絶対かからないわけではなく、ましてや感染した後に摂取して治るわけでもない。

続いて意見交換会で配られた【基礎的データ資料(PDF)】から。

●感染力(1人が何人に感染させる、具体的には熱やクシャミなどの発症傾向を示すまでに他の何人を感染させるリスクを持つか。高いほど感染力も大きい)
・日本……2.0-2.4
・メキシコ初期……1.4-1.6
・南半球(ペルー、ニュージーランド)……1.2-1.7、1.96
・タイ……2.07(1.92-2.22)
※季節性インフルエンザ……1.3

・感染者の年齢分布は12-17歳が中央値。入院患者は15-42歳が中央値。
・新型インフルエンザワクチンの生産量は来年2月までなら2200-3000万人分。季節性インフルエンザワクチンは2200万本(4000万人分)。

感染力については【U.S.News】などにも記載がある。ここでは季節性インフルエンザよりも感染・伝播力は強めであること、若年層の罹患割合が高いことを確認しておけばよい。

最後に国立感染症研究所ウイルス第3部、WHOインフルエンザ協力センター長の田代眞人氏による資料(【内容、PDF】)から。

・季節性インフルエンザは乳児と高齢者の入院割合が多い。
・新型インフルエンザワクチンは「効果は100%ではない」「ウイルス感染そのものは抑えない」「重症化、肺炎、死亡のリスクを下げる」。
・「有効性が十分に確認されたワクチンを少数者に接種するよりも、有効性が多少不十分なワクチンでも多数に接種した方が、社会全体での流行と健康被害に対する抑制効果は高い」「緊急時においては、早急にワクチン接種を行う必要があるため、十分な有効性と安全性を確認するために時間を割くことは不可能である。従って、ワクチン接種による健康被害は、ある程度許容せざるを得ない」(現行の季節性ワクチンは新型インフルには無効)。
・現状の新型インフルエンザウイルスは「弱毒型」で、季節性インフルエンザと同程度の病原性を持つ。
・主に10代後半-20歳代に感染患者が多く、高齢者では患者が少ない。また、74歳以上の40%で抗体陽性があり、1935年以前に抗原的に似たH1N1ウイルスの感染を受けて抗生が出来ている可能性。
・ほとんどの患者は軽症のインフルエンザ様症状を呈し、治療せずに回復(季節性インフルエンザと似ている)。
・抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザに感受性(対抗効果あり)。早期治療は有効。タミフル耐性ウイルスの出現は確認済み。
・季節性インフルエンザよりも伝播力は強い。
・ウイルスは季節性インフルエンザ並みの弱毒性ウイルスであり、パンデミックとなっても、健康被害や社会的影響はそれほど大きくならない(1957年のアジアかぜ程度か?)。ただし多くの人が免疫を持たないので、パンデミックとなれば、流行規模と感染者数は季節性インフルエンザよりは大。重症リスク者の絶対数が増えるなど、医療サービスに対する負荷が増加する懸念。

元々がプレゼンテーション用の資料だったためか、かなりよくまとめられているが、すでに報じられていることの他は、やはり「ワクチンの特性」「感染力の強さ」「弱毒性であること」などが重要。



繰り返しになるが、2009年8月28日に報じられた新型インフルエンザの今後の日本国内における流行に関する試算については明日以降、厚生労働省の公式ウェブサイトに関連資料が掲載され次第、目を通して解析・まとめなどを行う予定。そしてこれも繰り返しになるが、上記資料やこれまでの記事にあるように、

「新型インフルエンザは現行では、伝播力は強いものの毒性は季節性インフルエンザとほとんど変わらない弱毒性。妊婦や内臓疾患保有などの高リスク者への対応も含め、季節性インフルエンザへの対策と同じ事項を”しっかりと、確実に”行うことが、個人ベースでの最良の対策」

「感染の可能性を自覚したら、医療機関に電話で確認をとった上で病院に足を運ぶこと。自分勝手にふるまうモンスター患者となる行為は、自分だけでなく周囲にもマイナスの影響を与える」

ことを十分に認識した上で、判断・行動してほしい。

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