企業社員がおススメする「民放」クイズ番組ランキングをグラフ化してみる

2009/08/28 04:50

クイズ番組イメージ[トヨタ自動車(7203)]や【東京電力(9501)】など大手企業36社(2009年7月31日現在)から構成される「優良放送番組推進会議」は2009年8月27日、独自に参加企業の社員に対して行ったアンケートの調査結果による「第5回アンケート調査結果・民放のクイズ番組ランキング」を公表した。それによると、トップについた番組は平均点・回答者数・合計点すべての項目においてTBS(系列、以下略)の「世界ふしぎ発見!」であることが明らかになった。各項目第三位までには「熱血!平成教育学院」「アタック25」が同じ順位で入っており、今回の調査対象番組中ではこの3本が「3強クイズ番組」であることが分かる(【発表リリース】)。

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「優良放送番組推進会議」とは大手企業(要はテレビ放送のお得意様的スポンサーとなりうる企業)から構成されている団体。設立主旨は「日本の混迷状態の一因は、世界の情勢から大きくかけ離れているテレビ放送にある。しかし単純に良し悪しを判断すると表現の自由にかかわる問題となる。そこで『良い番組』を推挙すれば、番組の向上に役立つだろうと判断。放送番組動向に関心のある企業が調査に協力して世間に結果を公表することで、間接的にテレビ放送に対する『意見具申』をして優良な番組展開が期待できる」というもの。当初構成社数は26社だったが、最新データでは36社までに増えている。

今調査は参加企業の社員482人に対し、2009年8月2日から8日に放送された11の民放・クイズ番組(時間帯は平日の場合のみ19時以降に限定)に対し、任意に番組を選んでもらい、5段階評価(3:とても興味深く推薦したい、2:興味深く推薦したい、1:普通、0:特に感想が無い マイナス:マイナス評価(集計上はゼロ扱い))を依頼し、その平均得点で順位を決定する。選択されない番組は「見向きもされない」「知らないので評価できない」ということでゼロ扱い。年齢階層、男女比などは非公開だが、各番組への投票結果では20代から60代以上まで20歳くぐり・男女別の区分(m1-m3、f1-f3)が内部的に行われていることが確認できる。

詳細な一覧はリリースにあるが、ここではいくつかの要素を抜き出してみることにする。まずは全番組の平均点順位、回答者数順位の上位5位(回答者数順位は5位が同点なので6番組)をグラフ化する。

平均点順位
平均点順位

回答者数順位
回答者数順位

平均点は「投票した人の」点数平均。知名度の高さとはまた別で、評価した人の評判の良し悪しを示す。極端な話、一人だけしか投票せずに「3」の評価を入れればその番組は「3」の平均点を確保できる。

一方「回答者数」は482人のうち何人が投票したか。いわば良し悪しを別にした「知名度」(どれだけ知られているか)とほぼ意味を同じくする。もちろん回答者数が多くても評価が低いのなら得点は低くなるので、平均点は下がる。回答者数上位に入っていて、平均点上位に姿を現していない番組は、評価の内容が幅広い(良い評価もあれば悪い評価もある)ことを意味する。

今回は選択できる番組数が11本しかなく、これまでの調査結果とはやや傾向が異なる結果となってしまっている。本数の少なさが幸いしてか、最下層の番組「クイズ! 時の扉」でも150人が回答しており、「回答者数が少ないのに高評価をつける人が多く、支持者絶対数が少ないのに平均点で上位に来てしまう」という問題児的な上位番組は見られなかった。

「評判」と「知名度」、双方を加味するには「多くの人からたくさんの点数・高評価をもらえたかどうか」、言い換えれば「得点総数」を見る必要がある。知名度が高くても各回答者数の評価(得点)が低ければ得点総数は低くなるし、評価が高くても知名度が低ければやはり得点総数は上がらないからだ。その得点総数こと「合計点」の表が次の図。

合計点順位
合計点順位

合計点では「世界ふしぎ発見!」が他の番組に2倍近い差をつけて705ポイントでトップ。次いで「熱血!平成教育学院」「アタック25」など、やはり老舗系のクイズ番組が上位を占めている。

・「世界ふしぎ発見!」は男性ではどの年代層にも受けがよいが、女性では年を経るにつれてやや受けが悪くなる。
・「熱血!平成教育学院」「Qさま!」「クイズ雑学王」は若年層よりも高齢者の方が評価が高い。
・「アタック25」は年齢による差異はあまりなく、男性の方が女性よりも支持が高い。

などの傾向が見られる。

今回の個別分析はやや雑なものとなってしまった。この原因は、冒頭でも触れたように今回の調査対象が「民放」のものに限定され、NHKのクイズ番組が一切含まれていないのが一点。そしてもう一点は、対象番組数が11本と非常に少ないため、各票がややお手盛り式に上積みされた可能性があり、際立った傾向が見られないためである。

各番組毎に「回答する・しない」「回答する場合には得点の割り振り」を複数回答で行うため、原則的には選択番組数が11本でも50本でも変わらないはず。しかし人間の心理として、選択肢が少ないと個々の番組に対して評価が甘くなる可能性は否定できない。あるいは前回の音楽番組におけるた「ミュージックステーション」のように、番組別の個性的なデータ結果が出てこないのは、今回登場したクイズ番組にあまり個性が見られないと調査母体の視聴者が判断しているからなのかもしれない。

さらに気になるのはNHKのクイズ番組が今回調査の対象に挙げられていないこと。過去4回の調査において「民放のみ、NHKは対象外」という区分がされたことは一度も無かった。NHKにクイズ番組が無いわけではなく、むしろ「教養・知識啓蒙」と「クイズ」を合わせる形の番組(例えば「ためしてガッテン」)もあるはずだが、不思議といえば不思議だ。



「クイズ番組」は、やり方次第では「低構成力・低予算・省時間」で作成できるため、【最近のテレビ番組高視聴率トップテンを表組化してみる】などで触れているように、予算節約と制作陣の構成力低下、企画側の職務怠慢などから安易なクイズ番組が大量生産され、テレビそのものの「媒体力」を押し下げてしまった。媒体力の低下は視聴率の低下、そしてスポンサーの撤退につながり、今年の番組改正時期までにかなりのクイズ番組が姿を消している。ある意味、今回リストアップされたクイズ番組はそれらの嵐の中を生き抜いた「ツワモノぞろい」ともいえるだろう。読み返してみれば確かに「歴戦の勇者」という表現はやや誇張気味ではあるが、長い歴史を持ち着実に足場を固めてきた番組ばかりのようにも見える。

さて次回調査は変則的な形で、衆議院議員選挙が実施される2009年8月30日を調査期間とする、「選挙特番」に関するアンケートが行われる。これまで数々の偏向報道を繰り返して世論を意図的にミスリードする姿勢が各所で見られ、挙句の果てにそれらを指導し・是正させるべき立場の【BPO(放送倫理・番組向上機構)】も「身内可愛や」とばかりに情報の公開を閉塞的な方向に移行するなど、本来の「公明正大な報道」の精神を半ば失っているテレビ報道において、関連番組としては直近の回答事例となる「選挙特番」ではどのような評価が下されるのか。基本的には発表されるデータの逐次公開という「共通情報の配信」でしかないだけに、各局の姿勢の違いが見られ、その結果がデータとしても反映されることだろう。

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