「ドラゴンエイジ」が12.2%プラスの伸び…少年・男性向けコミック誌部数動向(2009年4月-6月)

2009/08/27 08:24

【社団法人日本雑誌協会】は2009年8月26日、2009年4月から6月分の印刷部数を公表した。主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータで、正確さでは各紙が発表している「公称」部数よりはるかに高い。今回は、読者層を考慮してもっとも興味がそそられるであろう「少年・男性向けコミック誌」のデータをグラフ化し、前回発表分データからの推移を眺めてみることにする。

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データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」などの用語説明は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】に収録されている。そちらで確認をしてほしい。

まずは少年向けコミック誌。週刊少年ジャンプがトップにあることに違いはナシ。

2009年1-3月期と最新データ(2009年4-6月期)による少年向けコミック誌の印刷実績
2009年1-3月期と最新データ(2009年4-6月期)による少年向けコミック誌の印刷実績

「ジャンプ」は直近データで280万6667部。販売実数はこれよりも少なくなるので、前回と同じく250万部前後だろうか。その他の雑誌も販売数そのものに大きな差異はなく、今回は当方で独自に認定している「誤差」範囲内に、全誌がかろうじてとどまっている。今回対象となった13誌のうち、前期と比べて部数を伸ばしたのは「ドラゴンエイジ」と「コロコロコミックス」「週刊少年ジャンプ」の3誌。また、今回は幸いにもデータ非開示となった、あるいは休刊・廃刊の該当誌は無し。

続いて男性向けコミック誌。これも世間一般のイメージ通りの印刷部数展開。

2009年1-3月期と最新データ(2009年4-6月期)による男性向けコミック誌の印刷実績
2009年1-3月期と最新データ(2009年4-6月期)による男性向けコミック誌の印刷実績

少年向けコミック誌同様、大きな変化はない。幸いにも少年コミック誌同様に休廃刊・情報非開示となった雑誌もないが、全般的にマイナス傾向が続いている。これは前回分データにも見られた動きで、季節特性云々を別にして男子コミック誌の購入対象層の購買力が落ちているのではないかという懸念も浮かんでくる。

さて、一応2期間の印刷部数を棒グラフ化したわけだが、続いてこのデータを元に各誌の販売数変移を計算し、グラフ化してみることにする。短期間の変移ではむしろこのデータの方が重要だろう。

要は約3か月間にどれだけ印刷部数(≒販売部数)の変化があったかという割合を示すものだ。なお当然ながら、今回データが非開示となった雑誌、今回はじめてデータが公開された雑誌はこのグラフには登場しない(今回はいずれもそのパターンに該当する雑誌は無い)。

雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌)
雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌)

今期はあまり大きな変化無し。
季節特性や記事内容による
「ぶれ」のレベルに留まる。
前回が「冬休み」「春休み」を含み、「通勤・通学の際に購入されやすいタイプの雑誌の印刷数は(前回と比べて減少している(=販売数が減る)」という「季節特性」によるマイナスもあったせいか、全誌ともマイナス5%を超える下落(※上下5%の変移は「誤差」として考える)は見せていない。ただし伸びている雑誌も少数で、わずかに「ドラゴンエイジ」の堅調ぶりが見える程度。もっとも同誌は前回前期比マイナス6.8%・前々回はマイナス8.3%と大きめの下落を記録していたので、その反動かもしれない。

続いて男性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック)
雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック)

プラスを記録したのは前回計測時期同様、三兄弟のうちの二誌「コミック乱」「コミック乱ツインズ」と「ヤングアニマル嵐」のみ。他紙はすべてマイナス(IKKIはプラスマイナスゼロ)。前回同様マイナスの雑誌ばかりで、不安が積み重なってくる。やや他紙とは異種な感のある編集方針・スタイルで差別化を図り、下落率を最小限にとどめていた「週刊コミックバンチ」が今回は大きく数を落としているのも気になる。

さて一連の定点観測を続けたことで、ようやく過去のデータが一年分蓄積でき、「前年同期比」のデータを算出することができるようになった。そこで今回からはいわゆる「季節属性」を考慮しなくても済む、「前年同期比」のグラフも掲載することにする。

雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌、前年同期比)
雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌、前年同期比)

上記のグラフと比べると掲載紙が少なくなっているが、これは「最新期でデータ未公開の雑誌」「過去一年分のデータがそろっていない雑誌」は除外しているため。前者はともかく後者は、「前年同期」のデータが無いのだから仕方がない。このようにしてみると、一部の勝ち組雑誌「コロコロコミックス」「週刊少年ジャンプ」以外は、ほぼすべての雑誌で苦戦を強いられているのが分かる。特に週中発売の二大週刊誌「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」の両誌の現状が気になるところ。

続いて男性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック誌、前年同期比)
雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック誌、前年同期比)

こちらも各種前提は少年向けコミックと同じだが、今期の直近前期との比較データでの傾向同様、全体的に売れ行きが思わしくないことが分かる。唯一プラスなのは「ヤングアニマル嵐」。データが取得できる該当誌において、両端のトップが「ヤングアニマル嵐」と本家の「ヤングアニマル」というのも、何か皮肉な気がする。



今回参照したデータのうち「単純前期比」においては、前期が比較的季節特性で元々売れ行きが良くない気であったことも幸いし、極端なマイナス値を見せる雑誌はあまり無かった。ただし、男性向けコミックがほぼ押し並べてマイナスを見せているあたりを見ると、元気の無さが感じられてならない。

また、今回から算出できるようになった「前年同期比」のデータを見ると、いかに雑誌全体の売り上げが落ち込んでいるかが改めて分かる。電車やバスで時間を潰している人の手元に何があるのかを見れば、雑誌の売れ行きが思わしくないのは明白な事実。だが、それでも今回のように数字を突き付けられると、色々と考えざるを得ないものである。むしろポジティブに、数少ない売上アップな雑誌「コロコロコミックス」「週刊少年ジャンプ」「ヤングアニマル嵐」から、何か雑誌全体を盛り上げるヒントが得られないかと考えては見るのだが、当方にはその答えを見つけ出すのは難しいようだ。


■関連記事:
【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2009年1月-3月データ)】

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