あなたが投信買った理由、利回り・少額・分配金

2009/08/23 09:18

このエントリーをはてなブックマークに追加
投資信託イメージ楽天リサーチは2009年8月21日、投資信託(投信)に関するインターネット調査の結果を発表した。それによると、投信を購入した人は「高い利回り」「定期的な分配金」「少額投資」などをメリットと考えている傾向が強いことが分かった。預貯金金利が低迷を続ける現在、元本保証で無くとも高い利回りの金融商品は、やはり魅力的に見えるのだろう(『発表リリース』)。


スポンサードリンク


今調査は2009年7月24日から25日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1で、年齢階層比は20代・30代・40代・50代・60代で均等割り当て。

【郵便局でも販売を始めた投資信託とは?】でも解説しているが、投信とは「投資」を「信託」(お願いする)金融商品。立ち位置的には「株式投資」と「預貯金」の中間にあるが、主な金融商品と同様に原則として「元本は保証されない」。一方で、株式投資では難しい対象への投資や、個別銘柄の購入のような細かな知識はあまり必要が無い(ベトナムへの投資、インドへの投資、といった感覚での投信も用意されている)、種類によっては定期的な分配金の受け取りができるシステムなどのメリットもある。

それでは調査母体のうち投資信託を購入した人たちは、どのようなメリットを感じていたのだろうか。購入した経験がある人たちに複数回答で尋ねたところ、もっとも多い回答は「預貯金と比べると高い利回りが狙える」というものだった。要は「ローリスクローリターン」より「ミドルリスク・ミドルリターン」を、という考えなわけだ。

投資信託を購入した理由(購入した人限定)
投資信託を購入した理由(購入した人限定)

預貯金とリスクが同じで利回りが高い金融商品などありはしないから、当然投信は利回りが高い分だけリスクも生じる(デフォルトはともかく、基準価格の低迷など)。それでも、低空飛行を続ける預貯金利回りよりは夢がある、という判断によるものだろう。たとえるのなら「牛丼一杯では食べ足りないが、特盛りだと食べきれずに残してしまうリスクがある。ならば大盛りにしておこう」という選択のようなものだ。

やや回答率は下がるが、第二位には「定期的に分配金が受け取れる」というもの。受け取り側にしてみれば株式の配当金と似たようなもので、受け取り間隔が株式よりも短い場合が多いのが特徴。株式の配当が「余剰資金・利益の株主への分配」なのに対し、投信の分配金は場合によっては「タコの足切り」になる場合もある(つまり、株式にしても投信にしても、配当・分配した時点でそれだけ元々の株式・投信の資産価値は削られる)など、留意せねばならないことも多い。このあたり、特に投信ではお客への告知・啓蒙が不足しているものと思われるので注意が必要だ。

第三位の「少額からでも投資できる」もメリットの一つ。しかし最近では株式の取引単位も小さなものとなりつつあるし、ETF(上場投資信託)には1口1万円以下で購入できるものも増えてきている。この項目のメリットは、段々と少なくなりそうな気がする。



投資信託はその言葉の通り、「投資」を「信託」するため、直接「投資」をする株式と比べ、ハードルが低いという認識がある。ただし選択肢の中に「投資に対する知識が無くとも投資することができる」という項目があり、それに多くの人が回答してしまっているのが気になる。

これが単に本文中の事例に触れた「例えばベトナムに展開している各企業の詳細を知らなくてもベトナムそのものに投資ができる」という意味合いなら良いのだが、「投信って貯金みたいなものでしょ? 元本保証されているようなものだし」「毎月分配金ももらえて、換金する時には高い利回りが約束されているみたい。なんか素敵だね」という、投資そのものの原則知識が無い、というのなら問題があるといわざるを得ない。

投信には上記にあるようにメリットがあるが、その分デメリットもある。両者をよく理解し、それを天秤にかけた上で選択をして欲しいものだ。


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS