擬音をそのまま形にしてみたら……
2009/08/22 09:41


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夜の階段を恐る恐る登る女性。一歩一歩登るたび、足元の効果音「CRREEEEAK(ぎー)」が階段のステップ側面に刻み込まれていく。

昼下がり(?)公園の鳩たちに餌をやる老人。鳩を良く見ると、着地寸前の鳩の羽は「ZAP・FLAP(ばたばた)」という羽の音に、餌をつついている鳩たちは「COOO(くー)」という鳴き声で形作られている。
上の「夜の階段」の写真は、恐怖映画のワンシーンのような情景。何か物音がしたのか、恐る恐る階段を登る女性の足元が、一歩一歩板がきしむ音の「CRREEEEAK」に変わっていく。静止画なのだが、情景がサウンド付きで頭に思い浮かばれる。
下の「鳩に餌をやる老人」は、公園ののどかなワンシーン。ぱっと見ではごく普通の情景にしか見えないが、良く見ると空を飛んでいる鳩たちは「ばっさばっさ」という羽の音、路面で餌をつついている鳩たちは「くーくー」という鳴き声で体が構成されている。
いずれもその場で発せられている擬音を文字列にし、その場面にはめ込んだもの。しかし漫画の吹き出しや効果音のように単純に文字列をかぶせるのではなく、その場面の構成要素と融合させることで、「文字から連想される擬音の、頭の中での再構成」「擬音で作られている部位・要素との連結」が脳内で瞬時に行われ、まるで音付きの動画を見ているような感覚に襲われる。実はこれらの広告、総合音楽スタジオ【WAVE SOUND PRODUCTION】のもの。音作りを得意とするスタジオなら、アピール度は120%と断じても良い。
似たような手法は先に【文字に「魂」を吹き込む技術「キネティック タイポグラフィ」(Kinetic Typography)】で紹介した「タイポグラフィ」があるが、これも考え方(文字にその言葉以上の意味を吹き込む)としては同じようなものだろう。ちょっとしたアイディアが見る者にも想像力を働かせ、臨場感をかき立てる、そんな好例といえる。
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