「へそくり」の由来は何だろう?

2009/08/21 04:40

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へそくりイメージ先に【夫婦とも4割は相手にナイショでアレしてます!?】で夫婦間のへそくり事情を垣間見る調査結果をお伝えした。さまざまな物品やサービスに変えられる「お金」を配偶者に隠して貯めることは、それぞれの事情があるため、一概に良い悪いを決めつけることはできない。一方で「へそくり」そのものは相当昔からある事象のようだ(お金の概念が生まれ、人間が世帯を構成するようになって以来かもしれない)。それでは「へそくり」そのものの語源はどのようなものだろうか。「昔の人が栗をおへそに隠して運び、それを売って貯めたお金……というバカな話でもあるまいし」と思いつつ、せっかくだから調べてみることにした。


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【知泉Wiki】【ヤフー百科事典】、さらには各種語彙辞典などによると、「へそくり」が「へそくり」と呼ばれるゆえんには大きく三つの説があるらしい。また、江戸時代中期にはすでに一般に使われていたとのこと。

「懐の奥の方に隠したお金」
 漢字で「臍繰り(へそくり)」と書き、おへその奥(腹巻など)から繰り出すお金を意味することに端を発し、「奥の方に隠しておいたお金」を意味する。さらに「臍(へそ)」は「臍包(へそくるみ)」の略で、胴巻などを腹に巻きつけることや、腹に巻きつけるお金をさすことから転じたという説もある。

「漢方薬の名前」
半夏イメージ サトイモ科の雑草「カラスビシャク」の根茎は、栗の形をしてへそのようなくぼみがあるため「ヘソ栗」と呼ばれていた(や【参照:ハル薬局】)。これが漢方薬「半夏(はんげ)」と呼ばれる吐き気や頭痛、めまいなどに効く薬の材料になるため、農家の人が暇をみつけてはこの根っこを掘り起こして売りに出し、小銭を稼いでいたことに由来する(ちなみに半夏そのものは薬なのでむやみに口にしてはいけない)。

「糸の名前」
 「臍繰り」ではなく「綜麻繰り」が由来だとする説。布などを紡ぐときに使う、麻糸などを機械にかける前の糸巻きで巻いた状態を「綜麻」と呼ぶが、昔の農家ではこれを紡いでお金を稼いだことを由来とするとの説。さらにこの紡ぎをする女房が、毎晩3本ずつ別にとっておき、親が亡くなった時にこの麻糸で経帷子を織る習慣があることから、「別にとっておくこと」を「へそくり」と称し、それがお金にも適用されたとする説もある。

諸説入り乱れており、どれが「ズバリ正解」ということではなさそうだが、いずれにもして「おへそに栗を隠して小銭を得る」という話ではないらしい。いずれにせよ、昔の人の知恵や倹約心などが元になっていることが分かる。

万一配偶者にへそくりがばれても、これら「へそくり」のうんちくを語って感心させることで、あるいは許してもらえる……ことを祈りたい(笑)。


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