【更新】「駅の売店では新聞・雑誌が売れないらしい」を確かめてみる

2009/08/09 09:23

駅の売店イメージ目的の駅につくまでの間、電車の中での時間つぶしといえば、かつては新聞や雑誌に目を通すことがほとんどだった。しかし今では【雑誌読む 時間は意外に 就寝前 通勤通学 あまり読まれず】などでも触れているように、携帯電話や携帯音楽プレイヤーなどにその主役が移り変わりつつある。当然、駅構内の売店で新聞や雑誌の売り上げは落ちる。それを明確に指し示す証拠、言い換えればその現象の一端を垣間見れるお話が【駅の売店では新聞・雑誌が売れないらしい(ちぎっては投げ)】で紹介されていた。

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具体的には2009年8月6日に発表された、【新京成電鉄(9014)】の第1四半期決算短信([該当リリース、pdf])。数字そのものは売上がやや落ちたものの経費削減や周辺サービスの拡充などで利益を上乗せすることができたという、素晴らしい内容だった。今件取り上げる該当部分は、「定性的情報・財務諸表等 1.連結経営成績に関する定性的情報」の各セクター別業務情報における、「その他事業」の部分。いわく、

駅売店業につきましては、新聞・雑誌などの販売の減少傾向が継続しており、厳しい経営環境の中での営業活動となりました。

とある。「減少傾向」だけでなく「継続」という表現まで使われていることから、雑誌などの販売減少が今四半期だけでなく、これまでも相次いでいたことが分かる。過去にさかのぼって確認すると、2008年3月期(2007年4月-2008年3月期)の第1四半期決算短信で具体的に「新聞・雑誌などの販売の減少傾向など」と記され、2009年3月期の第1四半期決算短信からは「継続しており」という文言が加わっている。少なくとも新京成電鉄では2007年あたりから、駅構内での新聞・雑誌の販売減少傾向が顕著なものとなっていることが分かる。

他の鉄道会社の決算短信に同様の表現があるか否かをチェックしたが、駅構内販売店での売上不調の表記はいくつか見つけられたものの、新聞・雑誌を特定したものは皆無。さらにJR系列に限るが、構内販売店を統括するキオスク(キヨスク)、あるいはそれらを管理する専門会社の資料を探したものの、その傾向を指し示すデータを見つけることは出来なかった。

しかし唯一、【JR東海(9022)】のキヨスクを管理する東海キヨスクの【会社案内】に、それらしいデータを見つけることができた。系列各店舗の品目別売上高と構成比推移を示したグラフだが、1988年度と2008年度の比較が掲載されている。こちらで再計算し、作り直したのが次の図。

東海キヨスクの品目別売上高と構成比推移(構成比)
東海キヨスクの品目別売上高と構成比推移(構成比)

東海キヨスクの品目別売上高と構成比推移(億円)
東海キヨスクの品目別売上高と構成比推移(億円)

東海キヨスクの品目別売上高(雑誌・新聞のみ/億円(概算))
東海キヨスクの品目別売上高(雑誌・新聞のみ/億円(概算))

駅の売店イメージ他品目では「酒類」が同じような減少傾向、「たばこ」「雑貨」がやや減少傾向をみせているが、やはり「新聞」「雑誌」の減少ぶりが目立つ。そもそも店舗の形式が「キヨスク」がほぼすべてを示していた20年前と比べ、「キヨスク」が半数強、「ベルマート」(コンビニスタイルの店)や「ギフト」(お土産店)数が増えた2008年度では「雑誌」「新聞」の売れ行きが落ちるのも仕方がない、という点もあるものの、やはり減少ぶりが気になる(本来なら直近10年くらいの、年ベースでの変移を確認したいところだが、公開資料は皆無だった)。

新聞や雑誌の販売拠点として欠かせない場所だった「駅の売店」でも、【10年で売上は書籍17.4%減、雑誌は24.4%減に-落ちる売り上げ・上がる返本率】で触れているように返本数が増えている感はあるし、人材不足でキヨスクなどの駅売店そのものが閉まっている時間が増え、購入機会がますます減っている。

「ちぎっては投げ」でも言及していたが、雑誌や新聞の売上低迷は、駅売店の動向からも見受けられるようだ。

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