雑誌の大幅下落続く、インターネットですらマイナス3.6%(経産省広告売上推移:2009年8月発表分)

2009/08/08 10:00

経済産業省は2009年8月7日、特定サービス産業動態統計調査において、6月分の速報データを発表した。それによると、2009年6月の主要メディアにおける広告費売上高は前年同月比でマイナス18.1%と大きな減少を見せていることが明らかになった。主要項目別では先月に続き「雑誌」がもっとも大きな減少率を見せ、その値は3割強にも達していた(【発表ページ】)。

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今記事のデータ取得や項目選択のあらましは記事一覧【4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】で説明が行われている。そちらでチェックしてほしい。

6月分のデータを棒グラフにしたのが次の図。

4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比(2009年5-6月)
4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比(2009年5-6月)

比較しやすいように先月発表データと並列して図にしてみたが、【電通の2009年5月の売上高をグラフ化してみる】でも触れているように、紙媒体、とりわけ雑誌の減少率の大きさが際立って見える。前月と比べてやや持ち直しを見せてものの、前年同月比で3割強の減少という値は、言葉通り「目も当てられない」状態であるといえる(500円の昼飯代が350円になったようなものだ)。他の媒体では「先月比」でラジオ・インターネット広告がやや減少率を縮めてはいるが、全体の売上は落ち込んでいる。これは市場規模が大きいテレビにおいて、4.5ポイントも増加したことによる影響が大きい。

次に、公開されているデータの推移をグラフ化する。インターネット広告のデータが掲載されたのは2007年1月からなので、それ以降の値について生成したのが次の図。

月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年6月まで)
月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2009年5月まで)

ここ数か月の間回復傾向を見せていた新聞が再び下落し、下振れリスクを積み上げたことや、テレビが迷走状態にあることなど、個別の傾向が見えてくる。それと共に、広告費全体の減少は「ラジオ・雑誌・新聞は2007年当初の時点ですでに前年同月比マイナスを見せていた」「2008年頭から4大メディア・広告費全体の下げは顕著なものになった」「2008年末期あたりからは落ち方に加速がついている」ことがつかみとれる。

広告の契約は単発・短期以外に年度・年毎、あるいは半年単位で行われる場合が多い(テレビならば番組のスポンサードを行う「タイム広告」が該当する)、その観点では年度替りの4月は多少なりとも(メディア・広告業界の景気が最悪期から脱していたとすれば)上昇することが期待された。しかし実際はその年度替りが「さらなる下げ」となってしまった。テレビに限っても先日掲載した【2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる】で分析した通り。これら広告費の削減は景気後退を要因とするものだけでなく、メディアそのものの(広告と関連する部分での)構造及び媒体力の大きな変化が起きているのだろう。

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