2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる…(1)「キー局」と「スポット広告」「タイム広告」

2009/08/07 04:40

テレビイメージ2009年8月5日に【TBS(9401)】から2010年3月期(2009年4月-2010年3月)における第1四半期決算短信が発表され、テレビ放送局における上場主要5局(=キー局)の決算が出そろうことになった。【総務省、実在する具体的事例を挙げてテレビ局の「制作会社いじめ」を指摘・状況改善を要請】【TBS、行政の不手際の現場を「ねつ造」報道したとして、総務省から厳重注意】【「企業社員がおススメする報道番組ランキング」定例化へ】などにもあるように、テレビ放送事業そのものの媒体力・倫理感・「報道」媒体としての公明正大性や立ち位置のありようなど、様々な面で問題提起がされている昨今、企業としての営業成績はどのように推移したのだろうか。簡単にではあるが、色々とグラフ化し、まとめて「見てみる」ことにする。

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すでに類似記事で何度となく解説してきたが、お約束ということで改めて二つばかり説明を。まずは「キー局」について。日本テレビ・TBS・フジテレビ(事業体としてはフジメディアHD)・テレビ朝日・テレビ東京はいずれも民法放送局の系列ネットワークの中心「キー局」「主要局」である。上場もしており財務的な面で偽りの無い情報を公開する義務があるため、「外から」様子を確認しやすい。だからこそ今件も含め、一連の記事でピックアップしたともいえる。

続いて「スポット広告」と「タイム広告」について。テレビコマーシャル(TVCM)には提供方法で大きくわけてこの2つの方式がある。「タイム広告」は番組提供・放送枠固定、「スポット広告」は(原則)ばらまき型のテレビ広告。

タイム広告とスポット広告(再録)
タイム広告とスポット広告(再録)

詳しく説明すると、「タイム広告」とは「番組提供広告」とも呼ばれ、放送される番組をスポンサードするもの。番組の最初や最後に「この番組は●×製菓、□▲食品の提供でお送りします」と出るタイプのもの。広告費をテレビ局経由で番組に提供してその番組を後押しする代わりに、その番組内で自社の広告を出す、というもの。一社で独占する場合(「東芝日曜劇場」などが好例)もあれば、複数社で提供する場合もある。放送時間や視聴者性向をある程度絞れるため、効果的な広告展開が期待できるが、人気番組・効果の高い番組の広告費は当然ながら高い。

「スポット広告」と「タイム広告」イメージ一方「スポット広告」とは、番組と番組の間に存在する時間帯(ステーションブレークと呼ばれる)に放送されるもので、いずれの番組にも属するものではない。契約上詳しくは「スポット契約」(ある時間枠に放送される)と「フリースポット契約」(時間などは指定されず、一定期間内に指定した本数が放送される)の二種類があるが、どちらにしても「番組の色がほとんどつかない、じゅうたん爆撃的な広告」と考えれば良い。その性質上、短期決戦的な広告展開(新製品の発売間近な時、期間限定のキャンペーン)に使われることが多い。

昨今のテレビ業界においては、効果が低いと目された「スポット広告」の減少が著しく、当然ながら各局の売上、さらは利益を大きく押し下げる要因となった。一方「タイム広告」は番組張り付きの広告のため、昨年度においては「スポット広告」と比べれば減少率はさほど大きなものではなかったが、【日本テレビのタイム・スポット広告の変化をグラフ化してみる】でも触れているように今年度に入り年度・番組の切り替えにあわせ、タイム広告における減少も顕著なものとなる傾向が見受けられている。

テレビ局は放送法上、放送事業を主事業とするため、その放送事業で得られる広告(枠の販売)費が利益の源となる。それを構成する二大要素が「タイム広告」と「スポット広告」であり、昨年度まではその一方の柱が、今年度に入ってからは双方とも大きく揺らぎつつある。

用語の解説、及び現状の概略はこんなところである。

(続く)

■一連の記事:
【2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる…(1)「キー局」と「スポット広告」】
【2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる……(2)業績斜め読みと広告売上、利益率の変化】
【2010年3月期におけるキー局銘柄の第1四半期決算をグラフ化してみる……(3)TBSの特殊事情とまとめ】

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