たたみ一畳あたりの家賃、「民間の鉄筋住宅」は借家全体平均に800円上乗せ(2014年)(最新)

2014/08/05 08:30

人々が居住する住宅は所有状態で区分すると大きく「持家」「借家(賃貸住宅)」に二分される。「一国一城の主」の言葉にある通り、多くの人は「持家」獲得のために努力を続けることになるが、「借家」で満足する人、多種多様な理由で借家住まいを強いられる人も多い。その借家における賃貸料、つまり家賃の平均相場について、総務省統計局が2014年7月29日に発表した、2013年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果から確認をしていくことにする。現在の平均的な家賃相場そのもの、そして住宅の種類における水準の差異、さらには過去からの動向はいかなるものなのだろうか(【発表ページ:平成25年住宅・土地統計調査】)。

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今調査の調査要項は先行する記事【住宅の空き家率は13.5%で過去最高に】を参考のこと。

1978年以降における、「店舗その他との併用住宅も含めた借家全体」をはじめとする、主要借家の畳(たたみ)一畳分あたりの全国平均家賃の推移は次の通り。「公営借家」(都営、市区町村が運営する賃貸住宅。いわゆる「公団」)に関しては1990年代以降ほぼ横ばいの傾向をみせていることが分かる。物価の上昇もほとんど起きていないことを合わせて考えれば、非常に安定した家賃で提供されている借家といえる。もっともその分、入居条件が厳しく、誰もが気軽に借りられるとは限らない(それでも最近の地方における物件では、そのハードルは随分と下がっているようだが)。

↑ 住宅の種類・専用住宅の所有の関係別1畳当たり家賃(単位:円/1978-1983年の民間借家は専用のみ)
↑ 住宅の種類・専用住宅の所有の関係別1畳当たり家賃(単位:円/1978-1983年の民間借家は専用のみ)

「給与住宅」とは「社宅や公務員住宅などのように、会社や団体、官公庁などが所有または管理して、その職員を職務の都合上または給与の一部として居住させている住宅」を指す。言い換えれば給金の一部が家賃として肩代わりされていることになる。この「給与住宅」は元々福利厚生の一環的なところもあり、長らく各項目中では最安値を示していたが、2003年には「公営借家」と逆転。その後も平均相場は上昇中。一般的な借家と比べればまだまだ割安だが、この上昇ぶりはやや気になる所。居住環境そのものを改善させて、「単に住めれば良い」から「快適な住環境の提供」へとシフトし、就業のメリットを底上げ。その過程で家賃も引き上げざるを得なくなっているのかもしれない(それでもまだまだ民間の一般的な借家と比べれば割安だが)。

「都市再生機構・公社の借家」は漸増を続けているが、意外にも民間の一般的な借家は「木造」「非木造(=鉄筋コンクリート)」共に横ばいから漸減の傾向にある。特に区分では最高値を維持している「非木造借家」は前回調査から大きく値を下げて3821円/畳にまで200円以上値を落とし、「都市再生機構・公社の借家」の相場(3445円/畳)に肉薄しつつある。地域による違いも大きいが、民間の借家相場が安定化しつつある表れともいえる。前回調査時点では「上昇率の緩慢化」との表現を用いたが、今回調査結果を見る限りでは「漸減」と表現しても良いだろう。

相場安定、漸減化の理由は複数考えられる。賃貸市場そのものの安定化、さらには供給側の過多、借入側の可処分所得の横ばい傾向、そして既存賃貸住宅の老朽化に伴う家賃アップの困難さなどが想起される。



やや余談になるが、2013年における地域別1畳当たりの家賃について、総数レベルで集計を取りグラフ化すると次のようになる。当然といえば当然だが、都市圏の方が家賃が高い。良い機会でもあるので前回調査の2008年分も併記しておくことにする。

↑ 専用住宅の1畳当たり家賃(全国、3大都市圏)(2008-2013年)
↑ 専用住宅の1畳当たり家賃(全国、3大都市圏)(2008-2013年)

特に関東大都市圏の家賃は高く、全国平均家賃と比べると3割から4割増しの値を示している(2008年調査では3大都市圏「以外」の平均相場…2227円…も計上されていたが、2013年調査ではそれが無くなっている)。例えば【大学生 一人暮らしの 家賃額 6万を切る 厳しい現実】で「大学生の平均家賃は6万円足らず」という結果が出ているが、同じ6万円でも関東大都市圏なら全面積14畳、全国平均なら20畳近くの賃貸住宅が借りられる計算になる。

大都市圏にはそれなりのメリット・そこに住まう必要性がある。しかし家賃の観点で眺めてみると、その分の対価を余計に支払う必要性が生じてくる。特に関東圏の居住者は、その実情を(懐が)痛いほど実体験しているはずだ。


■関連記事:
【家賃の面から大学生の収入と生活の厳しさをグラフ化してみる】
【50年余の民間・公営賃貸住宅の家賃推移をグラフ化してみる(2014年)(最新)】

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