住宅の空き家率は13.6%で過去最高に(最新)

2019/09/01 05:38

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2019-0821総務省統計局は2019年4月26日、2018年時点における住宅・土地統計調査の速報集計結果を発表した。それによると、全国の2018年10月1日時点における全国の住宅数は6242万0000戸で、2013年からの5年間に3.0%・179万1000戸増加したことが明らかになった。一方、空き家は846万0000戸となり、同じく5年間で3.2%・26万4000戸増加している。総住宅数に占める割合(空き家率)は5年前の13.5%から13.6%となり、今調査開始以来最高値を更新している。空き家率は地方圏の方が高い傾向も確認されている(【発表ページ:平成30年住宅・土地統計調査】)。


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今調査は5年毎に行われているもので、今回発表分は2018年10月1日時点のデータを計測したもの。約22万単位区・計約370万住宅・世帯を対象に、対象世帯に調査員が調査票を配布・後日回収する方式で行われている。なお今件における「空き家」とは、居住世帯が無い住宅のうち、建築中や一時現在者のみの住宅を除いたもので、賃貸用・売却用・二次的住宅・その他の類すべてが含まれている。

全国における総住宅数、空き家および空き家率の推移は次の通りとなる。

↑ 空き家数・空き家率(万戸)
↑ 空き家数・空き家率(万戸)

1963年までは総住宅数よりも世帯数の方が多かったが、1968年以降は総住宅数が総世帯数を上回り、その状態は現在もなお継続中。総住宅数は増加を示しているが、利用中の住宅戸数とともに空き家数も増加。利用住宅数以上に空き家数が増えているため、結果として空き家率は増加の一途をたどっている。

空き家の増加状況を詳しく見ると、賃貸用・売却用の空き家は詳細区分確認開始の1978年以降大きな増加を示していたが、ここ15年ばかりはその動きも鎮静化。売却用に関しては前回調査からむしろ減っている。また二次的住宅(いわゆる別荘や残業などで遅くなった時に寝泊まりする仮住まい)は前世紀末以降は横ばいで、「その他」区分が漸増している。この「その他」は転勤や入院などで居住世帯が長期にわたって不在の場合、立て替えのために取り壊し予定の住宅、そして区分判断が困難な住宅が該当する。

直近2018年における空き家区分内訳は次の通り。このうち「賃貸用住宅」「売却用住宅」は必要な人の手に渡れば居住可能な住宅であることから、合わせて空き家のうち54.4%は第三者が居住可能な住宅であるといえる。

↑ 空き家内訳(2018年)
↑ 空き家内訳(2018年)

また空き家率は都市圏の方が低い。つまり都市圏の住宅の方が需要が高いことになる。

↑ 二次的住宅を除く空き家率上位地域(2018年)
↑ 二次的住宅を除く空き家率上位地域(2018年)

↑ 二次的住宅を除く空き家率下位地域(2018年)
↑ 二次的住宅を除く空き家率下位地域(2018年)

報告書でも指摘されているが、甲信地方や四国地方で特に空き家率が高い傾向が見受けられる。

多様な要素を考慮する必要があるが、概して人気のある地域ほど空き家率が低くなる現状を考えれば、沖縄や関東圏の人気が高いことになる。

地域差はあるものの空き家率は経年で増加を示しており、空き家数も増えている。その内情はさまざまだが、数の上では住宅は供給過多な状態にあると見てよいだろう。もっとも単純な空き家率には上記の通り「二次的住宅」なども含まれていることから、概算的には13.6%(全国の空き家率)×54.4%(空き家のうち第三者が居住可能な住宅率)で、全住宅のうちおおよそ7%が「第三者が居住可能な意味での空き家」と見た方が無難かもしれない。


■関連記事:
【60年あまりにわたる民間・公営賃貸住宅の家賃推移】
【高齢者は長期居住傾向…賃貸住宅の平均居住年数(2019年6月発表分)(最新)】


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