「お金を稼ぐ事はよくないこと?」中高生に聞いてみました(2016年)(最新)
2016/07/08 05:07


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今調査の調査要項は先行記事【中学生・高校生のおこづかい額(2016年)(最新)】を参考のこと。
お金に対する日本人の考え方の一つとして、よく話題に登るのは「日本では幼いときから『お金を稼ぐのは汚い、よくない』と教えられているため、お金稼ぎにためらいを感じてしまう」「お金を稼ぐことを否定的に考える」との説。お金周りの話をすると、相手に苦虫をかみつぶしたような顔をされた経験を持つ人も多いだろう。保護者や教育機関が本当にそのような考え方を直接・間接的に教え込んでいるか否かは別として、その考えが子供たちに浸透しているのかが分かるのが次の結果。
ズバリ「お金を稼ぐことは良くないことである」と、お金を稼ぐことへの価値観を否定した設問に対し、そう思うか・そう思わないか・分からないの三択で答えてもらったもの。

↑ お金を儲けることは良くないことである
中学生より高校生の方が「分からない」が減り「そう思わない」が増える動きを見ると、歳を経るにつれて「お金を稼ぐこと自体は決して悪いことではない」と考える人が増えている実態が分かる。少なくとも「小さいときから、大人たちに『お金を稼ぐ事は悪いことだ』と教え込まれているので、お金に対する執着心が育たず、逆に罪悪感が大きくなってしまう」との懸念は杞憂のようだ。
ただし経年変化を見ると、中高生共に「そう思わない」の値が減り、「そう思う」の値が増えているのが気になる。まだ延べ3回しか調査は実施されていないため、単なる誤差の可能性はあるが、注視するべき動きといえる。
【日米家計資産推移】などにもある通り、家計全体の金融資産に占める現金・預貯金の割合が非常に高い日本では、重要視されることが多い「お金はコツコツと働いて貯めるものだ」との考えには7-8割の中高生が賛同の意を示している。

↑ お金はコツコツと働いて貯めるものである
今項目では前回調査と比べ、中高生とも否定派が減り、肯定派も減少。意見留保派が増える形となっている。否定派の減少は中期的なトレンドだが、肯定派・意見留保派の動向はもうしばらく調査を重ねないと見極めは難しい。
一方、中学生と比べて高校生の肯定派の値がやや低めになっている、つまり世の中の多種多様な現実を目にして、「それだけでいいのかな、コツコツ以外でも貯められれば問題は無いのでは」との疑問符が頭に思い浮かんだ結果らしき動きがあることに違いは無い。高校生の方が否定派の値がわずかに大きいのも、その思いの表れだろう。
似たような動き、つまり中学生よりも高校生の方がお金を稼ぐ手段においてドライな心境を抱く傾向は、別項目「賭け事でお金を稼ぐのは悪いことである」への反応でも見られる。

↑ 賭け事でお金を稼ぐのは悪いことである
法律的解釈上の違法行為は別として、倫理観上の問題として「賭け事」が良いか否かを表したグラフとも読み取れるのだが、そもそも「分からない」と判断を迷っている人が4人から3人に1人は居ることが気になる。「違法ではないから、賭け事が成功して儲けることができれば、それはそれで良い事だ」との考えなのだろうか。設問が少々曖昧なので、これ以上の判断は難しい。
経年変化では中高生とも今に近づくに連れて設問への肯定派が増え、否定派が減っている。賭け事の否定をする人が増えている、読み方を変えれば堅実志向派が増えているのだが、同時に意見留保派も増加しているのは気になるところ。また中高生別では高校生の方が肯定派が少なく、否定派と留保派が多い。世の中の実情のあれこれをより多く知り、思いを巡らせた結果だといえる。

かの渋沢栄一氏も「金儲けを品の悪いことのように考えるのは、根本的に間違っている。しかし儲けることに熱中しすぎると、品が悪くなるのも確かである。金儲けにも品位を忘れぬようにしたい」と語っている。品位を保ちつつ、大いにお金稼ぎに挑みたいものだ。
■関連記事:
【やっちゃいけない10のお金稼ぎ】
【中学生のアルバイト感など】
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