選挙戦で「カルタ取り」が行われる理由

2009/07/09 07:48

カルタ取りイメージ先に【選挙の声援、女性は「ホーホケキョ」・男性は「カー」!?】、さらには【候補者とスタッフぞろぞろ「桃太郎」!? 選挙用語はとっても不思議ね】で選挙独自の用語「カラス」「桃太郎」を宿題代わりに教えてもらい、記事ネタを提供してもらったある方に、先日再びチャット上でお会いした。すると、それらの記事を知った上で、さらなる課題が投げかけられた。いわく「ようやくカルタ取りも終わり、選挙も中盤戦に差し掛かりました」というのだ。この「カルタ取り」という言い回しは結構難しいらしく、多少の修飾語が加わっているのがヒントらしい。「これが分かったら相当な通かもネ」との挑戦的な語りも受け、「よし、受けて立つ」とばかりに調べてみることにした。

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「カルタ」というと【お絵描き看護師がつづる「医療安全対策いろはかるた」が人気】【「怪しいと 感じたメールは 開かない」「巧妙に サイトに誘導 フィッシング」セキュリティかるた12月14日から発売】にもあるように、元々はポルトガル語の「カードゲーム」を意味する言葉「Carta」を語源とするもの。これに日本に昔からあった絵合わせゲームが融合し、「かるた」になったといわれている。五十音に対応した読み札を読み手が読み、それに対応した取り札(絵札)を誰が最初に取るかを競うもので、全部の読み札が読み終わった時に、一番多くの取り札を持っている人が勝ちになる。

カルタ取りイメージ……ということは、選挙用語での「カルタ取り」とは、他の候補者よりも早く「選挙のお願い」の直筆の手紙を出し、強い印象を投票者に与えることを意味するのだろうか。これが終わって「選挙も中盤戦に差し掛かって云々」というつながりも、間違ってはいないように見える。あるいはスタッフに対する選挙区内の担当エリア配分を意味しているのかもしれない(他の立候補者よりも早く手を打つ、という意味)。

でもこれなら「カルタ」にする必要は無く、推論としては少々弱い。実際のところ調べてみると、「カルタ取り」とは次のようなことを意味していた。

選挙活動用の公選葉書、または後援会の入会申込み書の紹介者の重複を選出すること。
葉書をカルタに見立ててこのように表現するらしい。

推論は、近くはあったが正解では無い、「ニアピン賞」というところだろうか。確かに一人に何枚も選挙関連の葉書が同一候補者から来ると、「管理が出来て無いな」というマイナスイメージはある(同じ人物から二通年賀状が来たらどのように感じるかを想像すれば良い)。

「カルタ取り」イメージしかしそれ以上に「カルタ取り」には重要な意味がある。公職選挙法(第142条)では選挙運動用の法定葉書(公選葉書)に関する規定があり、この規定の枚数までは印刷費は自腹なものの、郵送代金は無料(公費)で配布させてもらえる。例えば都道府県議員選挙では8000枚、衆議院の小選挙区立候補者向けでは3万5000枚という具合だ。

つまり、重複配布は単に「イメージダウン」なだけでなく、もしかしたら別の人の手に渡り「効果」を発揮できたかもしれないのに……という「戦力の無駄使い」にもつながるわけだ。それを避けるために行われるのが「カルタ取り」ということになる。



なお、公職選挙法の第142条(「文書図画の頒布」)や類似条項の第146条(「文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限」)は基本的に財力の差による候補者の優越を無くすために存在する。お金持ちが立候補してその財力に任せてチラシや葉書を配布しまくり知名度を上げたのでは、財力の無い立候補者に不公平だ、という考え方である。

しかし昨今のインターネットや携帯電話の普及を受けて「サイトやブログの更新、音声や動画の配信、メルマガの送信は文書図画に相当するの?」という疑問が呈され、物議をかもしている。現状では原則的に「選挙期間中は更新作業は自粛」ということになっているが、関係者と第三者の区分・見分け方(有志がブログで応援をした場合や成りすましなど)、サーバーが海外に設置されていた場合の法的解釈など、解決しなければならない問題は多い。

一方で海外ではインターネットを使い、積極的な選挙戦や募金活動が展開されている(【オバマ新大統領のように勝利を収める4つの秘けつ】)。日本でもこのような選挙戦が行われる時がやってくるのだろうか。関連議員の活躍に期待したいところだ。

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