周囲がリストラを受けて「仕事のやる気が落ちた」4割を超える

2009/07/04 09:06

リストライメージプレジデントは2009年7月3日までに、gooリサーチとの共同調査で雇用調整に関する調査結果などを発表した。それによると、調査母体において実際に正社員の雇用調整があった人について、もっとも多くの人が感じた変化は「(自分自身・職場の)仕事に対するモチベーションが下がった」で4割以上の人が感じていた。物理的に「仕事の負担が増えた」という回答も多いが、その他に「会社上層部への信頼を失った」という回答率も高く、安易な雇用調整は見た目・経費削減以上のダメージを企業経営に与えうることを示している(【発表ページ】)。

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今調査は2009年5月22日から25日にかけて20-50代の正社員に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1045人。男女比は76対24。年齢階層比は非公開。

今調査では「雇用調整が行われているか(40.4%があり)」「今後雇用調整が行われる可能性があるか(55.2%が予定あり・可能性あり)」などの結果が出ている(今件も含めて「雇用調整」は正社員を対象)。さらに、

・正社員の雇用調整には若年層より中堅層の方が反対意見が多い
 (自分自身に深く関わっているから、若年層は自分の上の世代のリストラを見ているから)
・雇用調整には経営者も責任を取るべきであるという意見は中堅層の方が多い

などの結果が出ている。雇用整理の是非は企業それぞれ固有の事情があり、一概に是非を談じることは難しいが、調査母体における意見傾向としてはこのような状態であることを認識しておく必要がある。

その上で、実際に雇用調整が行われた職場にいる422人に対し、職場や自分自身にどのような変化があったのかを複数回答で選択肢から選んでもらったところ、「何も変化しなかった」はわずか12.6%に過ぎなかった。もっとも多かった回答は「仕事に対するモチベーションが下がった」で41.5%。4割以上の人がやる気・士気の減退を実感している。

雇用調整実施後に自分や職場にどんな変化があったか
雇用調整実施後に自分や職場にどんな変化があったか

仕事の量が減少し業績が悪化しているとはいえ、それをこなす人員そのものが減れば、一人頭の仕事量が増えるのは当然のこと。それは仕方ないにしても、(選択肢としてあらかじめ提示されているということもあるが)雇用調整による心理的なマイナス影響が非常に大きいことが分かる。士気の低下やそれに伴う生産性の低下、さらにはいつ止むとも知れない「次は自分の番かも」という不安・不信感、それらを起因とする会社・経営陣への忠誠心・信頼感の減退など、個々の正社員が実感する影響は計り知れない。

雇用調整で人件費の削減は図れても
企業はそれ以上の損失を
こうむる可能性がある
元記事にも指摘されているように、雇用調整は人件費などを削減し、財務健全化を図るために仕方の無い場合もある。しかし財務諸表上では一時的に健全化が図れたとしても、調査結果にあるように数字の上には現れない、そして中長期でじわじわと効いてくるマイナス要因・リスクがあることを忘れてはならない。

特に「優秀と目される人が転職した」が3割に達しているのを見れば分かるように、「沈み行く船からネズミが逃げだす」例に挙げられるように、企業運営には欠かせない、そして何ものにも代えがたい優秀な人材すら失うきっかけとなる可能性も低くない。

世間一般に「とにかく日本はダメだ、経済はもう破たんしている、構造改革はうまくいってない」などという風潮がマスコミなどによってあおられる形で広まり、今すぐにでも雇用調整・リストラをしなければならない、むしろした方が良い、それこそがブーム・世間の流れに乗っているという雰囲気がある。しかし元記事のイラスト(【参照】)にもあるように、「みんながんばってるから、こんのかまってるひまないね」という切り替えしで現状に対処した方が、ポジティブであり、やる気も出るし活力も沸いてくるというもの。

どのような選択肢を取るのかは個々の企業の状況や対象となる正社員の実情などによって違ってくる。しかし経営陣にしてみれば、扇情的な情報にあおられることなく、中長期的な視点・戦略に立ち、判断すべきだと思われる。

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