【更新】日米家計における金融資産の構成比率などをグラフ化してみる

2009/06/29 07:20

アメリカの家計イメージ直前の記事で金融広報中央委員会「知るぽると」の資料などを元に、日本の家計における金融資産の推移をグラフ化した。そのきっかけとなった【日本と諸外国の家計における金融資産の構成比率を比較してみる】では日米の家計の金融資産の構成比率を比較したわけだが、その記事で掲載した2004年からはどのような変化を見せているだろうか。最新(2009年第1四半期=2009年Q1)における日米の金融資産構成比率の比較、さらにはアメリカの最近における動向をグラフ化してみることにした。

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まずは直近の日米家計金融資産比較。大元の資料として用いたのは、日本銀行が四半期毎に発表する「資金循環の日米比較」(【ここに掲載】)。ここから最新データとして[2009年第1四半期のもの(PDF)]を取得する。比較対象として、前回紹介した2004年における各国の比較グラフも併記する。

家計金融資産構成の国際比較(2004年・OECDデータより)(再録)
家計金融資産構成の国際比較(2004年・OECDデータより)(再録)

日米家計金融資産構成比率比較(2009年1Q)
日米家計金融資産構成比率比較(2009年1Q)

市場の低迷で有価商品の評価額が下がり、相対的に現金・預金の割合が日米共に大きく増加しているのが確認できる。興味深いのは有価証券に対する姿勢で、日本の場合は株式について評価額を半分近くにまで減らしているのに対し、アメリカでは数%しか減っていない。投資信託も日本ではかなり減っているが、アメリカでは微量。債券にいたっては逆に増加している。アメリカの家計は市場低迷を、逆にチャンスと見ているのではないか……という感すらある。

それを裏付けてくれそうなのが、過去からの割合・絶対額の推移。直近の2009年1Q以外に、かろうじて保全できた2008年4Q分のデータ、そして色々な場所からサルベージをしてどうにか発掘できた2007年3Qと2006年Q1のアメリカ家計のデータをグラフ化したのが次の図。期間の区切りが不連続だが、大まかな流れは把握できるはず。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2009年1Q)
米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2009年1Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2009年1Q)(兆ドル)
米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2009年1Q)(兆ドル)

【アメリカの家庭内おサイフ事情をグラフ化してみる(改定・増補版)】でも触れているが、この断続的な流れの中でも、アメリカの家計が預貯金を積み増しているのが分かる(ただしドルベースでの、の話。以下同)。また、保険・年金準備金が漸減していること、株価の低迷振りの割には株式・出資金の減り方がさほど大きくないこと、投資信託は漸次増加中、債券は直近四半期では増加に転じているのが分かる。投資信託については投信を経由して、そして債券は直接米国債を購入していることは【アメリカ国債(米国債)の購入先をグラフ化してみる】で触れたとおりだが、その流れが改めて裏付けられた形だ。



アメリカの家計イメージ本文中で念を押したように、アメリカ家計におけるこれらの値はあくまでもドルベースでの話なので、それぞれの期間における日本での評価額は大きく異なる。例えば2006年1Q時点での1兆ドルは、当時為替レートが1ドル120円だとすると120兆円になるが、2009年1Q時点で同じ10兆ドルを保有していたとしても(その時点で1ドル100円だった場合)100兆円でしかなく、同じ1兆ドルを持っていたとしても相対的には20兆円もの資産変化が生じるからだ(もちろん家計全体における現金・債券・株式などそれぞれの区分の比率は変わらない)。

とはいえ、家計金融資産のほとんどは自国通貨ベースで保有・消費することを考えれば、やはりアメリカの家計においては「預貯金を積み増している」「債券を買い増ししている」「株価低迷にもめげず買い増しをしている」ということになるのだろう。

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