【更新】日本の家計における金融資産の構成比率の変化をグラフ化してみる

2009/06/29 07:16

日本の家計イメージ先に【日本と諸外国の家計における金融資産の構成比率を比較してみる】で、社団法人日本経済調査協議会の資料を元に2004年における日本や諸外国の「家計における金融資産の構成比率」を比較した。国によって現金や株式、投資信託、保険など、重視する金融商品の違いが分かる、興味深い内容だった。この記事の作成後、最新のデータを探したのだが、結局諸外国のものは見つからなかった。代わりにといっては何だが、日本の家計の年代推移などを見つけることが出来たので、今回はそれをグラフ化することにしよう。

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大元の資料として用いたのは、日本銀行が四半期毎に発表する「資金循環の日米比較」(【ここに掲載】)。最新データは[2009年第1四半期のもの(PDF)]。ところがこのデータ、過去のものについては公式サイトに保全されていない。日銀に問い合わせたところ、速報性の高いデータなので資料として保全するには及ばないから、というのが残していない理由だった(もったいない気もするが……)。そこで、かろうじて残っていた2008年第4四半期データ、そして金融広報中央委員会「知るぽると」の【証券投資:リスクと役立つ知識(PDF)】からデータを抽出した。2007年のデータが第3四半期のものしかなく、やや連続性に欠けるところがあるが、他にデータがないのだから仕方ない(もし保全している方が居たら教えて欲しい)。

まずは単純に「日本の家計金融資産構成比率比較」。金融資産全体のうち、どれくらいが現金や預金で、どれくらいが株式などだったかを示すものだ。

日本の家計金融資産構成比率比較
日本の家計金融資産構成比率比較

少なくともこの10年強の間、現金・預金比率が5割を切ったことは無いことが分かる。また、株価が低迷した前回の不況期である2002年前後、そして現在進行中の2008年以降は株式・出資金や投資信託の割合が減少しているのが確認できる。それとは別に保険・年金準備金が全般的に上昇傾向にあるのも分かる。

元データには「比率」だけでなく全体額、つまり家計の金融資産の合計額も記載されている。そこで各比率に全体額を乗算し、それぞれの絶対額を算出して積み上げのが次のグラフ。少々個々の数字が分かり難いところもあるので、さらに折れ線グラフにしてそれぞれの推移が把握しやすいようにもしてみた。

日本の家計金融資産構成比率(1997年-2009年1Q)(単位:兆円)
日本の家計金融資産構成比率(1997年-2009年1Q)(単位:兆円)

日本の家計金融資産構成比率(1997年-2009年1Q)(単位:兆円)(折れ線グラフ)
日本の家計金融資産構成比率(1997年-2009年1Q)(単位:兆円)(折れ線グラフ)

株価低迷・景気後退時の2002年前後、そして直近の2008年以降は、株式・出資金が絶対額の面でも一番大きく影響を受けて、投資信託がそれに次いでいる。一方で現金・預金はもちろんだが、保険・年金準備金、そして債券もそれほど大きな影響は受けていないことが分かる。利回りやキャピタルゲインという観点では投資信託や株式にははるかに劣る債券だが、安定性という点から見れば日本の家計においてももう少し評価されても良い気がする。

また、株価の低迷が株式・出資金や投資信託の評価額を思いっきり押し下げ、それが家計全体の金融資産の総額をも下げてしまっている状況が改めて分かるだろう。逆にいえば、現金や保険・年金準備金の比率が高い日本の家計では、他国ほど(市場の低迷を起因とする)大きな影響は受けていない計算になる。

個々の家計の状況と比べればケタが違いすぎて想像が出来ない世界だが、日本全体としてはこのような流れになっていることを知っておいても損はないはずだ。

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