【更新】誰が見ても美味しそうなスパゲティを食材無しで作る動画

2009/06/26 05:25

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ウェスタンスパゲッティイメージ先日【個人用カップヌードル給湯器を見た海外の反応】でカップヌードル給湯器と「えび」の話を取り上げた際、関連する動画でふと目に留まったものがあった。サムネイルでの見た目はスパゲッティなのだが、どうも雰囲気が変だ。その動画を選択してよく見ると、良く似たオモチャや文房具などの身の回りのものを使い、「まるでホンモノの食材を使って料理をしている」ように見せた、ストップモーションのアニメだったのだ。言葉は分からなくとも見ているだけで楽しくなる、ちょっと嬉しくなる動画なので、ここに作者の他の作品と共に紹介してみることにする。


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はじめに目に留まった作品、「ウェスタンスパゲッティ(Western Spaghetti by PES)」。
はじめに目に留まった作品、「ウェスタンスパゲッティ(Western Spaghetti by PES)」。2009 Sundance Film Festivalなどで賞も獲得しているとのこと。

一連の動画の作者はPES(もちろんペンネーム、実の姓は Pesapaneとのこと)。【公式サイトはこちら】。動画のスタート時に独特のロゴで「PES」と出るので、氏の動画か否かが分かるはず。

Game OverイメージPES氏へのインタビュー記事が【eGuiders】に掲載されているが、これをざっと読むと、元々PES氏はストップモーションアニメ(静止した情景などを少しずつ動かしてコマを多量に撮影し、それを連続して映して動いているかのように見せる方法。コマ撮りともいわれ、一昔前に流行ったクレイアニメ(粘土細工が動くアニメーション)もその一つ)関する技術は持ち合わせておらず、学校では文学と版画制作を学んでいたという。その後、処女作【Roof Sex】を創り、「自分の想いを形にするにはストップアニメーションが一番だ」「技術云々は関係ない、自分が面白いと感じているからこそ、この手法が良いんだ」と実感。次々にストップアニメーションを生み出すようになった。

作り方のプロセスとしては「じっくり考えて、メモを取り、アウトラインとリストを作り、スケッチを描き、アイディアを形にする。そして時には試験的なアニメーションも作る」「ありとあらゆる角度からこれらのプロセスのことを考えるため、非常に時間がかかってしまう」「しかし実際の撮影にかかる時間はさほど長くはない。Western Spaghettiの場合、1シーンで1日、合計35日で済んだ」などとあり、構想とシナリオ作りに長い時間と労苦をかけ、実際の撮影にはさほど時間はかからないとしている。

PES氏の作成したストップアニメーションはYouTubeの公式チャネル上では17作品確認ができる。その中から再生回数が多い(=人気が高い)ものをいくつか挙げてみよう。いずれも、身近なものばかりで新たな世界が創造され、観ているものを楽しませてくれるものばかりである。


「Game Over」。いくつかの懐かしいビデオゲームをストップアニメーションで表したもの。


人間スケートボード。ナンセンスの極み。スケボか何かのテレビCMのようにすら見える。


ケーキカウントダウン。タイトルのまま。アイディア勝負の一発芸的な動画。


アミューズメント系自販機会社[Coinstar]のCM。ついつい見とれてしまう……

ストップアニメーションの形式は最近はCGの技術が進んだためか、NHKの「みんなのうた」や教育テレビ系の番組で時々使われるくらいで、全般的にはあまり見かけなくなってしまった。しかし上記の動画を観ればお分かりのように、この手法には独自の味わい、面白みがある(効果音が言葉通り「効果」的に使われており、魅力を増幅させているのも分かるはずだ)。その「独特の味わい」「面白み、楽しさ」がPES氏を魅了し、そしてPES氏が多数の視聴者を魅了させる源となっているのだろう。

インタビュー記事でPES氏は読者に対し、クリエイティブな作品をオンライン上で構築するためのアドバイスを語っている。いわく、

最初に自分が楽しもう、そうすれば周囲もきっと楽しんでくれるさ。
(Entertain yourself first, others will follow.)

とのこと。至極名言といえよう。


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