「タスポ効果」が一目瞭然・コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる

2009/06/16 04:50

コンビニイメージ先に【小売業の売上推移をグラフ化してみる】で経済産業省のデータを元に、小売業の売上高推移をグラフ化すると共にその傾向について推察を行ったことをきっかけとした、各種産業の状況把握の再確認と裏づけ企画記事最終回。【2009年4月度のコンビニ売上高は既存店が4.3%のプラス・タスポ効果は継続、客単価の下落が気になる】をはじめとして、毎月報告しているコンビニエンスストア(コンビニ)の売上変移について、昨今ではこの言葉が語られなかった月はないほど大きな存在感を持つ「タスポ効果」を見るため、たばこが属する「非食品」を中心に商品構成別売上推移をみることにした。

スポンサードリンク


使うデータは【経済産業省の商業動態統計調査】のもの。ここから【統計表一覧】を選び、大規模卸売店販売額について2008年までは時系列データを、2009年以降は確報・速報のデータを抽出。現時点で2009年4月まで確定値が出揃っているので、それを利用することにする。

まずは年次データ。他の記事同様に既存店のみを対象とし、データが公開されている1999年以降のものをグラフ化する。

コンビニエンスストア商品構成別売上推移(1999年-/前年比、既存店)
コンビニエンスストア商品構成別売上推移(1999年-/前年比、既存店)

昨今のコンビニの堅調ぶりがイメージにあるのでやや違和感があるのだが、既存店の売上は総じてやや軟調状態にあった。今回はデータ掲載を略するが、単なる売上合計は公開データ期間中はすべて前年比でプラスを維持していることから、コンビニでは「新展開の店舗の売上向上で全体額のアップを支えていた」感がある。

しかしその傾向も2007年以降は変化を見せ始め、2008年ではサービス部門以外はすべて前年比プラス。「日配食品など(ファストフード含む)」は伸び率が横ばいなものの、「加工食品」が健闘、そしてたばこに代表される「非食品」の売上がグンと伸び、結果として既存店の売上合計も前年比プラスに転じることになる。

続いて月次データを。今件ではリーマン・ブラザーズ・ショック云々はさほど関係がないので、取り扱い範囲を2006年1月以降にする。

コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2005年1月-/前年同月比、既存店)
コンビニエンスストア商品構成別売上推移(2005年1月-/前年同月比、既存店)

たばこの自動販売機イメージ「タスポ効果」(タスポ導入により、コンビニでたばこを買う人が急増した)によりもたらされた2008年5月以降の「非食品」の急激な伸びがひとめで分かる。合計売上も大きく伸びており、コンビニの業績に大きく貢献しているようだ。

また、直近の「タスポ効果」以前に三度ほど「非食品」の大きな上下が起きているが、これはグラフ中に記したように、2006年6月は「2006年7月からのたばこ値上げに伴う駆け込み需要」、2007年6月は1年前の駆け込み需要の反動、そして2007年7月はたばこ値上げ後の買い控えの反動によるものであり、たばこの価格やシステムにコンビニの売上が大きく左右されている状況が見えてくる。

ちなみに2006年9月まで「サービス」部門が大きくマイナスに振れているが、これは2005年9月15日で販売を終了したハイウェイカードの需要そのもの及び駆け込み需要の反動によるもの。反動の影響が無くなった2006年10月以降は、ややプラスを維持するペースに戻っている。



このようにしてグラフの形で売上推移を見ると、昨今の「タスポ効果」だけでなく、コンビニの売上が「たばこ」や「ハイウェイカード」に代表される、「世の中の1システムの変更」で左右されることが多いことが分かる。とりわけここ数年においては、「たばこ」に影響を受けることが多いようだ。

月次レポートや新聞報道などにもあるように、今年の7月か8月あたりから「前年同月比」におけるタスポ効果はその影を薄めることになる。導入から1年が経過して、「効果が無かった月」との比較ではなくなるからだ。一方、改正薬事法の施行で、大衆薬がコンビニで購入できる道が開け、新たな集客要素が生まれたことになる。今後各商品構成別の売上がどのように推移していくのか、気になるところだ。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー