日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる

2009/06/12 05:00

先に【日本における学歴と失業率との関係をグラフ化してみる】を掲載したところ、「男女別の差異を確認したい」という意見があった。元データには元々男女合計以外に男女別のデータも用意されているので、覚え書き代わりにグラフを生成してみることにした。

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データの取得元は【労働力調査詳細集計(速報)平成20年平均結果の概要】中の「第14表 教育,年齢階級別完全失業者数(卒業者)」。さらに同様の統計データについて保全されている2002年分平均までをさかのぼり(【2005年発表分】など)、データをピックアップした。まずは再録ということで、全体の変移。

教育別完全失業率(卒業者)
教育別完全失業率(卒業者)(再録)

続いて男女別にそれぞれ、学歴別のグラフを生成する。

教育別完全失業率(卒業者)
教育別完全失業率(卒業者)(男性)

教育別完全失業率(卒業者)
教育別完全失業率(卒業者)(女性)

大まかに分けて失業率が「小学-高卒」「全体値」「短大・高専」「大学・大学院」の順に低下しているのは全体値と変わらず。ただし、

・失業率は全体的に男性の方が高い(後述)。
・学歴の差による失業率の違いは男性の方が大きい。
・男性では2006年以降、女性では2007年以降、「短大・高専」と全体値との差異がほとんどなくなっている(≒失業率が上昇している)。2002-2003年にも近い現象が見られ、景気が悪化すると「短大・高専」に大きなしわ寄せが出ている可能性がある。
・他の階層が2006年以降失業率を高めつつある中で、男性の「大学・大学院」のみが失業率を下げている。

などの傾向が見られる。景気が悪化すれば失業率も高まるのは世の常だが、男性の「大学・大学院」の失業率が逆に低下しているのは注目に値する。

「失業率は全体的に男性の方が高い」について、全体及び「大学・大学院」のみを男女それぞれで抽出してグラフを作り直したのが次の図。

教育別完全失業率(卒業者)(男女・全体のみ)
教育別完全失業率(卒業者)(男女・全体のみ)

教育別完全失業率(卒業者)(男女・大学・大学院卒のみ)
教育別完全失業率(卒業者)(男女・大学・大学院卒のみ)

男女で比べると男性の方が失業率は全般的に高い。これは「完全失業率」の計算方法(完全失業者÷労働力人口×100で求められ、労働力人口は従業者、休業者、完全失業者を合わせたもの。非労働力人口(状況をかんがみて求職活動をしていない人など)は含まれていない)や、女性の雇用形態としてパートタイマー(派遣社員を含む)が増加しているが大きく作用しているものと思われる(【若年層の正社員・非正規社員、派遣社員などの割合をグラフ化してみる】、高学歴では女性の方が失業率が高いのもこれを示唆する傾向)。また、2006年に大学・大学院卒では一時的な逆転現象が起きているが、この年に該当する関連事項といえば「改正・男女雇用機会均等法」の成立(施行は2007年)しかなく、これが影響しているのだろう。

繰り返しになるが、これらのデータはあくまでも数字的に「学歴が高い方が失業率が低い傾向にある」という失業率の一側面を示しただけであり、「高学歴万能主義」の肯定・否定はまた別問題である。直上で触れている非正規雇用者の割合や非労働者人口のカウントの仕方などについて、他の問題の検証に用いる際には考慮する必要がある。前回のアメリカにおけるグラフや、日本における全体のグラフを掲載した際、曲解した上で「ご意見」をされた方がいたので、一応念のため書き記しておく。


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【勉強は大切だということが分かる失業率と収入のグラフ】

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