日本における学歴と失業率との関係をグラフ化してみる

2009/06/11 07:27

先に【勉強は大切だということが分かる失業率と収入のグラフ】を掲載したところ、実に多種多様なご意見をいただくことができた。その中でも多かったのが「日本の状況は?」というもの。結論からいえばやはり日本もアメリカ(そして他の国も含めて)同様にほぼ比例する結果が出ているのだが、今回は失業率のみをグラフ化してみることにした。

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データの取得元は【労働力調査詳細集計(速報)平成20年平均結果の概要】中の「第14表 教育,年齢階級別完全失業者数(卒業者)」。さらに同様の統計データについて保全されている2002年分平均までをさかのぼり(【2005年発表分】など)、データをピックアップした。

教育別完全失業率(卒業者)
教育別完全失業率(卒業者)

「完全失業率」は完全失業者÷労働力人口×100で求められ、労働力人口は従業者、休業者、完全失業者を合わせたもの。非労働力人口(状況をかんがみて求職活動をしていない人など)が除外されているなどの問題もあるが、今回の考察とは別の話。先のアメリカの状況ほど大規模な違いではないものの、やはり明らかな差が出ているのが分かる。

また、今回統計局の労働力調査詳細集計から取得したデータは2002年以降のものであるが、四半期データなどを元に、全体と大学卒業者に限定した1960年以降のグラフ(国勢調査のデータも反映されている)が【社会実情データ図録】によって作成されている。詳細はそちらを確認してほしいが、それによると1990年以降は全体の失業率と共に大学卒業者の失業率も増加する傾向を見せているという(1980年代までは1%前後を推移していた大卒者失業率も現状では3%台に)。

この原因について「社会実情データ図録」では

・成長率の鈍化で学歴に関しても人材の需要が供給を上回った(高学歴者が次々に労働市場に供給されるが、それを必要とする企業側の求人はさほど増えなかった)
・高齢化社会の到来で、学歴とあまり関係のないケア・サービスの需要が拡大している
・終身雇用制などの見直し、IT革命で管理職への需要が相対的に縮小している

などを原因としてあげている。ITなど技術の進歩で生産性が上がれば上がるほど、同一作業・生産に対して必要とされる人員数が減り、人材の需要が減少する以上、「技術の進歩」が「必要労働力の減少」をもたらすのは必然であり、これは一般に高技術を要する高学歴が求められる求人においても当てはまる。

また、【職種別有効求人倍率と会社が払える賃金をグラフ化してみる】【職種別有効求人倍率をグラフ化してみる(2008年12月データ版)】でも指摘しているが、資格や免許、高度な技術が求められる求人案件においても、いわゆる「企業と求職者のミスマッチ」が顕著化しているのも、高学歴者の失業率が増加している一因といえる。さらに「753問題」(就職後3年以内の離職率が中卒者は7割、高卒者は5割、大卒者は3割というデータによるもの)もあり、問題はそれほど単純ではない。

なお、これをもってして「高学歴万能主義」云々と主張することは意味しない。あくまでも情勢を一つの視点から見た上での結果でしかない。前回のアメリカにおけるグラフを掲載した際、曲解した上で「ご意見」をされた方がいたので、一応念のため書き記しておく。

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