【更新】弁当持参と安値弁当の登場でますます微妙な「サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係」

2009/06/07 16:10

先に【マイナス700円の4万5600円・「減った」18.0%「増えた」は7.6%!-2009年のサラリーマンのこづかい事情】でお伝えしたように、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2009年6月4日発表した「サラリーマンの小遣い調査」によると、男性サラリーマンの昼食代はここ数年の間減少していたが、今年はやや持ち直しの傾向を見せていることが明らかになった。一方でその原資となる小遣いは一定額を維持しているわけではなく、額の変動を見せているため、当然「小遣いに占める昼食代の割合」も変化を見せることになる。去年と比べてサラリーマンの昼食代はどれほど小遣いを圧迫しているのか。去年のデータを引き継ぐ形で、今年も関連する値を算出してみることにした(【該当資料発表ページ】)。

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今調査は2009年4月18日から19日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は500人。男女比は全員男性で、年齢階層比は20代から50代まで10年区切りで均等割当。年収比は300-500万円がもっとも多く29.0%、次いで500-700万円が27.4%、900-1500万円未満が19.8%など。未婚・既婚率は37.2対62.8、同居の子どもの有無は「いる対いない」が49.2対50.8、奥さんの就業状況は47.6対52.4(ここのみ母数が既婚者の315人)。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

サラリーマンの小遣いの主な使い道の一つが「昼食代」、そして小遣いそのものの平均もすでに公開されている。一か月あたりの平均出勤日数を20日とし、休日は自宅で食べるので昼食代は使わないという状況を想定する(出勤時のお昼は弁当持参、という場合は考えない)。そして一日の昼食代を20倍して、一か月の昼食代を算出し、小遣い額に占める割合を計算する。このあたりの計算方法は去年のものをそのまま踏襲している。

サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2009年まで)
サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2009年まで)

このようにグラフ化すると、次のような推測が出来る。

・サラリーマンが昼食費として想定している配分は小遣いの2-3割。
・ITバブル崩壊、金融恐慌時(2002年以降)に激減した小遣いに対し、昼飯代を少しずつ削ることで対処しようとしたものの、当初は「昼食係数※」が上昇する。状況に対応するまでにはしばらく時間を必要としたもよう。
・その後も少しずつ昼食費の節約は続き、昼食係数もじわじわと漸減。2004年をピークに昼食係数は減少し、小遣いの額も増えて、余裕が出てくる。
・だが「昼食以外の小遣いの使い道を増やす」ためか、昼食費を削る意向は止まらない。
・2007年にようやく昼食係数は「ITバブル崩壊」直後の水準にまで戻る。
・しかし2008年では昼食代の減少分を上回る割合で小遣い額が減り、さらに直近の2009年では小遣いが減る一方で昼食代は増加。昼食係数は再び上昇のきざしを見せる。

※「昼食係数」……小遣い全体に占める昼食費の割合。かつて生活の豊かさを示すバロメーターとして使われていた「エンゲル係数」になぞらえて設定

少ない小遣いの中で、欠かせないものの比較的大きな割合を占める昼食費を少しずつ削ることで小遣い全体に占める昼食代の負担を軽くし、今世紀初頭の水準まで押し戻した苦心がしのばれる。しかし小遣い額そのものが再び減少傾向を見せ、係数も上昇。さらなる「工夫」や「努力」で係数を押し下げようとするのは容易に想像がつく。

今年の場合はさらに特殊事情として、昼食の形態の変化が想定される。この項目は2009年分から設問として用意されたものだが、これによると、1週間・5勤務日のうち、持参弁当が1.3回を占めている。

1週間(5勤務日)における昼食の形態(回数)
1週間(5勤務日)における昼食の形態(回数)

弁当持参率増加で
外食などの昼食代は
圧縮できるはず。
しかし1回あたりの
昼食代は増加。

・外食の昼食のランクアップ?
・外食店の価格上昇?
前年は今項目は調査されていないため比較は出来ないが、他調査の結果(【「弁当族」 そのうち3割 新人さん】)を見るに、昼食の弁当持参率の増加は容易に想像ができる。弁当持参=昼食代が節約できる(使うとしても飲み物代くらい)にも関わらず、平均昼食代が増加しているのは、持参弁当以外の昼食代のランクを上げているのか、あるいは外食などの価格値上げによるものかもしれない。

ローソンの廉価弁当イメージ【お弁当を500円で、安い惣菜をもっと幅広く! - 進む中食低価格競争】などで紹介しているように、サラリーマンの可処分所得の減少や節約志向の高まりから、昼食のお弁当の購入元としては最有力候補のコンビニでは、相次いで廉価版のお弁当を開発・販売している。数年前までは「メガブーム」と称し、大きなサイズでちょっと高めのお弁当を前面に押し出す戦略をとっていたが、昨今の状況を受けて、「少々小さいけれどお安く手に入る」商品にこれまで以上に力を入れるようになりつつある。

残念ながらサラリーマンのお小遣いの額は今後しばらくの間、上昇傾向を見せる可能性は高くない。小遣いの中でももっとも大きな領域を占める昼食代が、「コンビニなどの弁当の安値競争」「お弁当の持参」など複数の要因と絡み合いながら、どのように変化していくのか、サラリーマン自身はもちろんだが、消費先である外食チェーン店やコンビニなどの小売業にとっても、気になるところだろう。

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