SPA! 最新号に「孤独のグルメ」単発新作「汁おでん」掲載・ドラマCDの発売も発表

2009/06/05 04:50

「孤独のグルメ」イメージグルメ漫画としては異色の体裁・テーマを取り扱いながら、単行本化されてから10年以上経過しているにも関わらずいまだに多くの支持を集めている話題のロング&ベストセラー『孤独のグルメ』の単発の新作「静岡・青葉横丁の汁おでん」が、2009年6月3日発売の週刊情報誌「SPA!」に掲載された。さらに同号において、ドラマCD「孤独のグルメ」が同年9月に発売されることが発表された。

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「孤独のグルメ」とは久住昌之氏原作・谷口ジロー氏作画の、貿易古物商を一人で営む主人公が、仕事の合間にたしなむ食事の体験談を描いた形をとっている、ごくごく普通の中年男性による食事体験記。タイトルに「グルメ」という表現はあるものの、他のグルメ漫画にあるような高級レストランをはしごしたり、産地特産の名物にターゲットを絞ったりというような格好付けた話ではない。ありきたりな食堂、売店の食べ物、ふらりと立ち寄った回転寿司屋など、庶民になじみの深い、どこにでもあるような「日常生活の中の'グルメ'」が描かれている。

谷口ジロー氏の繊細でリアルなタッチや、主人公の「ちょっと格好つけたいんだけど、ついつい地が出てしまらない、そしてなによりもおう盛な食欲に正直」な行動、そして少々くどいまでの独り語りが、読者に親近感を与えてくれる。製鉄所のそばで焼き肉を食べた時「まるで俺の体は製鉄所、胃はその溶鉱炉のようだ」と表現し、さらに食い続けると「人間火力発電所だ」と表現がより過激になったり、夜食代わりにちょっとコンビニに立ち寄って食事を買おうとしたらついつい買いすぎて2000円近くものコンビニの料理を机の上に並べ、それを平らげつつも「俺……いったいなにやってるんだろう」と自嘲したりなど、実に人間くささがにじみ出ている。あくまでも「孤独」であって「孤高」でないのがほほえましい。

新装版の発売にあたり去年1月にはやはりSPA!で特別編(入院食編)が掲載されてから1年以上が経過している(【SPA!最新号に「孤独のグルメ」特別編掲載】)。今回はいつもの調子に戻り、出先でふらりと立ち寄った静岡県の青葉横丁でのあるおでん屋との出会いが描かれている。

寒さと空腹感を満たすため、横丁のあるおでん屋に入った主人公。しかし注文をしたあと、ちょっと後悔。
寒さと空腹感を満たすため、横丁のあるおでん屋に入った主人公。しかし注文をしたあと、ちょっと後悔。

見ている方も唾液が口の中にあふれるような、美味しさが伝わってくるような食べっぷりと独特の擬音も今まで通り。ああっ、ダメだ。心の底からおでんが食べたくなってきたぞ(笑)。
見ている方も唾液が口の中にあふれるような、美味しさが伝わってくるような食べっぷりと独特の擬音も今まで通り。ああっ、ダメだ。心の底からおでんが食べたくなってきたぞ(笑)。

一年強ぶりの新作ということもあり、さらには様々な情勢の変化(景気動向など)もあったため、もしかするとタッチや描写手法が変わっているのではないかという心配もあった。しかし読んだ限りではあの「孤独のグルメ」っぷりはまったく変わらず、あの独特のアングルや効果音、カット割りは何一つ変わっていなかった。安心して8ページを一気に読み終えることができたのはいうまでも無い。しかも今回は、前回のような特殊な状況下における食事ではなく、ごく普通の「おでん屋のおでん」が対象だったため、親近感も増すばかり。

気になったところといえば、(下町を描写しているためなのだろうが)濃い目のスクリーントーンが多く使われており、やや全体の色調が暗めに見えたこと。また、「孤独のグルメ」のチェックポイントともいえる「料理そのものの紹介時における全面写真のようなシーンにおける描写」がいつもより細かい線で描かれており、やや力強さに欠ける感があったことくらいだろうか。それでも主人公の食いっぷりはいつもの通りで、読んでいるこちらまでお腹一杯になった気分にさせられるから不思議なものだ。

さて、8ページの短編の後に掲載されていたのは、「ドラマCD『孤独のグルメ』」の告知。2009年9月下旬発売予定で、発売元はキャラアニ。主人公には海外ドラマ『24』で活躍中の声優・小山力也氏を起用し、音楽には原作者の久住昌之氏が制作・さらには演奏まで担当する。そしてジャケットは谷口ジロー氏による描き下ろし。価格は3150円(税込み)を予定。収録話は既存刊から6話分(「ぶた肉いためライス」や「焼きまんじゅう」など)に加え、小山力也氏の「当たり役」が「孤独のグルメ」を演じるという(誰だかは今のところ未公開なものの……)、スペシャルアレンジバージョンがボーナストラックとして収録されている。

ドラマCDの告知ページに「文庫・新装本合わせて累計17万部を突破した」という表記がある。前回の「入院編」の時には10万部だったから、1年強で7万部もさらに世に出回った事になる。もちろんこのジャンルでは一線級の売れ筋。今回の「汁おでん編」を読み返しつつ、9月発売予定のドラマCDに期待せずにはいられないファンがどれほどいるのか、カウントしたいものだ。

……まず当方自身で「1」、と(笑)。

(C)谷口ジロー/久住昌之/扶桑社

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