上昇予想が7割近く、楽観視する向きが強化(2009年5月個人投資家動向)

2009/06/03 07:37

【野村證券(8604)】の金融経済研究所は6月2日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2009年5月計測分、PDF】)。「ノムラ個人市場観指数」は先月比で同じ値を見せ、踊り場的な雰囲気が感じられる。一方、三か月後の日経平均株価の見通しでは「上昇する」の回答比率が7割近くに達するなど、今後の展開においては楽観視する向きが強くなっているのが分かる。

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今調査は1000件を対象に2009年5月20日から21日に行われたもので、男女比は72.7対27.3。年齢層は40歳代がもっとも多く33.0%、ついで50歳代が22.4%、30歳代が23.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円がもっとも多く25.0%、500万-1000万円以下が20.3%、200万円-500万円が17.2%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く32.3%を占めている。次いで5年以上が24.3%、1年から2年未満が16.7%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く48.7%と過半数を占めている。ついで配当や株主優待が28.6%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月と変わらず。直近の株価推移において1000円程度の上昇を見る意見が増加。
・取引を積極化するグループは前回比で低下。個人投資家の「さらなる」株式投資に対する意欲は後退。現状維持志向か。
・「国内政治情勢」「海外証券市場」の項目において、株式市場に与える要因が改善。
・魅力的な業種は「医療、へルスケア」。計測以来の最高水準。
・現在関心を持っている金融商品は「国内株式」。リスクの低い「定期性預貯金」への関心も高まる。
という形に。5月は4月と比べて安定感はあるものの、さらなる上昇にはやや無理があるかも、という雰囲気が感じられるのか、調査結果もそれを反映したものとなっている。とはいえ、昨年秋口における「どん底状況」と比べれば、投資家の心理状態はかなり改善している。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、今月も先月同様トップは定番の[トヨタ自動車(7203)]だった。第二位との回答数差は2倍以内に収まり、やや格差を狭めつつあるが、その勢いに変わりは無い。GMの破たんで再び自動車産業周りに不安要素が加わったことで、次回トヨタのポジションにどのような影響が及ぶのに注目したいところだ。また、前回二位につけた【シャープ(6753)】が20位以内からも外れており、投資家の心変わりを感じさせるものがある。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[武田薬品工業(4502)]
3位……[任天堂(7974)]
4位……【東京電力(9501)】
5位……[三菱商事(8058)]
上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。[トヨタ自動車(7203)]が再び定位置を連続キープしている状況は、市場の混乱が収拾に向かいつつあることを示しているのかもしれない。

5月においては、やや天井感があるものの、上昇機運はまだまだ否定できない状況には変わり無いとの結果が出ている。しかし市場動向が今後どのような動きを見せるかは、この数年の間は不確定要素が多く判断がつきにくい。金融(工学)危機が去ったわけではないし、「リーマンズ・ショック」のような市場そのもの、そして市場心理を腰砕けにしかねない事態が今後発生しうる「火種」は複数見受けられる。今後も難しい、そして適切で敏速な投資判断が求められることだろう。

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