ゼネラル・モーターズの「倒産」を少々違った角度からながめてみる
2009/06/03 07:35


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Google Map・ストリートビューで見た、アメリカ・デトロイトにあるGM本社。
まずは「パソコンを通じて世界旅行を」のコピーが似合いそうな、検索エンジン・Googleのサービスの一つ、ストリートビューでアメリカ・デトロイトにあるGM本社を見てみる。言葉通り「ながめて”見る”」わけだ。リンクは【こちら】。リアルタイムで表示しているわけではないので、ずっとながめていても報道陣の姿が見えるわけではないが(笑)、これから起きるであろうGMとそれを取り巻くさまざまな出来事を見聞きするたび、同社のビルを眺めてみるのも悪くは無い。
続いて、GMに関連する日本企業の話。GMと取引を直接・間接的に行っている日本企業は多数に及び、今後連邦破産法の適用で債権が回収できなくなる、そして事業計画の下方修正を余儀なくされる企業が多数に及ぶものと思われる。すでに直前に【帝国データバンクが】概算予想をしており、それによると取引をしているのが133社、そのうち102社に不良債権が発生するリスクが生じている。
【NIKKEI NeTの適時開示速報】で「モーターズ」のキーワードで検索するとすでに6月3日早朝の時点で、
09/6/2 17:30 曙ブレーキ工業 米国ゼネラル・モーターズ社に対しての債権について
09/6/2 8:20 タカタ 米国ゼネラル・モーターズ社との取引について
と3件のリリースが確認できる。それぞれは
曙ブレーキ工業……131万ドル
タカタ……726万ドル
の売掛債権を保有していることを発表している。この債権がすべて回収不能になるわけではないが、現時点で非常にリスクの高い状態にあることに違いはなく、それなりの額が不良債権化・損金扱いになる可能性を秘めている。帝国データバンクの分析の通り、今後多くの上場・非上場企業が同様のリリースを配信することは間違いなく、日本の景気回復の足をじわじわと引っ張る可能性は否定できない。
冒頭で「連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)」という表記を用いたが、日本の「倒産」「民事再生法適用」とアメリカのそれは実態がかなり異なっており、企業側にやる気があれば、「倒産」というイメージよりは「借金をはじめとした企業再生のため、これまでのしがらみをチャラにして、やり直しを図る」意味合いが強い。GMの場合も、労組問題やそれに絡むさまざま借金、これまでの関連企業・取引企業との間にある負担の大きい債権を振り払い、企業内を再構築して再出発することを目指している。
「再出発」して前進できるのか、前進する体制を作れるのかどうかは今後の関係各社の出方と本気度次第。もし再生が成功すれば、「新生GM」は再びアメリカの産業とアメリカそのもの精神を支える大黒柱的企業の立ち位置を確保できるだろう。
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