アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(2009年4月分データ)(下)

2009/05/31 16:05

フォードTイメージ以前掲載した【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる】から半年が経過し、アメリカの自動車産業の動向も一つの山場を迎えそうということもあり、改めて最新データでグラフを生成して状況を確認する企画記事の下編。今度は販売実績「の推移」を数年来のデータを元にグラフ化し、斜め見してみることにする。

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今回もデータ取得元は80年以上もの歴史を持つ自動車専門誌【WARD'Sの公式ウェブサイト】。こちらの【データベースページ】から最新の2009年4月分、さらには過去にさかのぼり、存在しうる2005年1月以降のデータを取得し、グラフ化した。

まずはアメリカ製普通自動車(自動車カテゴリーから軽トラックや軽車両をのぞく)が、アメリカ国内でどれだけ売れているか。この「アメリカ製」にはアメリカ合衆国以外にメキシコ・カナダのも含む。

アメリカ国内産普通自動車の国内月間販売実績(国内産=アメリカ・メキシコ・カナダ)
アメリカ国内産普通自動車の国内月間販売実績(国内産=アメリカ・メキシコ・カナダ)

半年前から年数が変わったため、一年分データ枠が増加している。直近データは2009年分となったため、2009年のものを分かりやすいように赤で着色していることに注意して欲しい(2008年は赤系統のオレンジにした)。2008年の下半期から売上が落ち込んでいることは前回の記事でも記述したとおりだが、赤い棒グラフで示された2009年分はその落ち込み具合が継続しているのが分かる。

自動車の販売には機種毎の流行りすたりや各社のセールスプロモーション、その他の要因(税制の変更やガソリン価格の上下、災害などによる経済的な余力の突発的変動)が大きく影響する。また、季節・月ごとでも売れ行きは違ってくる。そのため、前年・前々年比が多少ずれ込むことはあるし、単純な前月比との比較はあまり意味が無い。

そこで「前年同月比」を算出し(元データが5年分なので「前年」比は4年分しか出せない)、その変化を折れ線グラフにしたのが次の図。直上で述べた「2008年の下半期から売上が落ち込んでいる」ことが改めて、しかもはっきりと確認できる。

アメリカ国内産普通自動車の国内月間販売実績前年同月比推移
アメリカ国内産普通自動車の国内月間販売実績前年同月比推移

廃車イメージ今年6月前後まではなんとか前年比プラマイゼロ付近で維持できていたものの、6月以降は急速に下降していることが分かる。原油価格=ガソリン価格が直近で最高値をつけたのが7月11日の147.27ドル。景気の緩慢な悪化と自動車ローンの査定の厳格化で購入そのもののハードルが高くなりつつある中、ついに「ガソリン高」「ローン査定厳格化」「可処分所得減少」「物価高」などを抑えていた堤防が「決壊」し、自動車離れが加速したものと思われる。

その後、原油価格=ガソリン価格は下落の一途をたどっているが、景気の悪化・ローンの借り入れの困難化など他の条件は悪くなりこそすれど改善化の兆しは見られず、消費者から自動車購入を遠ざけている結果となった。2009年頭で下落率の増加加速にはひとまずストップがかかり、ややリバウンドを見せているが、クライスラーが4月末日に破たんし同社の自動車の販売が今後絶望的(メンテナンスなどの面で不安の残る、破たん処理中の企業の自動車を好んで買う人はあまり想定できない)となった以上、5月以降の自動車全体の売れ行きもあまり期待はできない。ただし6月以降は2008年の時点で大きな下落が起きていることから、「前年比」では持ち直しを見せるものと思われる。

さらにGMの動向次第で、状況は大きく変わりうる。今後も折を見て(あるいはリクエストがあれば)逐次データを更新し、状況をチェックすることにしよう。


■一連の記事:
【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(2009年4月分データ)(上)】
【アメリカ自動車メーカー「ビッグ3」の最新販売実績などをグラフ化してみる(2009年4月分データ)(下)】

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