【更新】「子どもが見たいテレビ番組」を持つ放送局をグラフ化してみる

2009/05/24 10:03

子供とテレビイメージ日本PTA全国協議会は2009年5月13日、「子どもとメディアに関する意識調査・調査結果報告書」を発表した。この報告書には色々な面から、子どもと保護者それぞれの立場におけるテレビやゲーム、雑誌などのメディアに対する実状・心境などが語られており、興味深いデータがたくさん盛り込まれている。今回はそのデータの中から、子ども自身が「見たい」と感じるテレビ番組について、ある視点からグラフ化を行うことにした。その視点とは「見たい番組を持っているのは、どこのテレビ放送局なのか」というポイントである([発表リリース、PDF])。いわば先の【「子どもに見せたくないテレビ番組」を持つ放送局をグラフ化してみる】【「子どもに見せたいテレビ番組」を持つ放送局をグラフ化してみる】から、立場・視点を変えた意味合いを持つものだ。

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今調査は2008年11月10日から24日、小学5年生と同保護者・中学2年生と同保護者それぞれ2400人・計9600人に対して行われたもので、有効回答率は子どもが81.1%・保護者が75.2%。調査方法は調査票配布・回収方式で、本人が調査票を封印した上で回収されている。

子ども自身が回答している「好きな番組」上位ランキングで具体名が公開されているものについて、それぞれの番組が属する放送局(キー局、系列)毎に票数を加算。その合計を回答数で割り、「放送局単位での『子どもに見せたいテレビ番組』保有度」を算出する。

順位表上に具体名が上がらなかった番組、例えば「スポーツ番組」のようにジャンルで指定されて具体的な番組名が上がらなかったものなどはすべて「その他」に含めてあるので、今回の統計データ上では「ゼロ」になった放送局でも、実際には「子どもが見たいテレビ番組」の票が入った可能性はある。

まずは2008年、つまり最新データにおける分布。東京における放送時のチャンネル順に並べてあるので(地域によっては)多少順番が変に思えるかもしれない。フジテレビが筆頭で、日本テレビ、TBSが続いている。

子どもが見たい番組(2008年/放送局別)
子どもが見たい番組(2008年/放送局別)

日本テレビは「スクラップティーチャー」「エンタの神様」、TBSは「ブラッディ・マンディ」「リンカーン」、フジテレビは「セレブと貧乏太郎」「クイズ! ヘキサゴン」などが上位についている。特にフジテレビは長寿番組・短期間放送の連続ドラマ共に上位に多数番組がついており、子どものハートをつかんでいることが分かる。

同じ手法で2005年までさかのぼって算出し、推移をグラフ化したのが次の図。

「子どもに見せたい番組」を有する放送局(上位番組のみの統計)
「子どもに見せたい番組」を有する放送局(上位番組のみの統計)


NHKは元々NHK教育テレビも含めた数字なのだが、それでも子どもに積極的に見たいと思われる番組はほとんどない。勉強の要素が入っていると毛嫌いをしてしまうのだろう。また、アニメ番組が多いように見えるテレビ東京も、意外に数字は高くない。「ポケットモンスター」「銀魂」「NARUTO-ナルト-」など定番アニメがリスト上には顔を見せているものの数字はさほど高くなく、それ以外の単発番組がなかなか登場しないのが原因。やはり元々子ども向け番組そのものが少ないからだろう。

TBSにはやや「むら」がある。特に2007年は定番の「リンカーン」「うたばん」、それに「3年B組金八先生」くらい。子どもも視聴対象となりうる番組の当たり外れが大きいのかもしれない。それとは逆にフジテレビはコンスタントに高い数字をはじき出している。2008年だけでなく過去においても、長寿番組・短期間放送の連続ドラマ共に高い支持を子どもから集めている。一方、日本テレビが年々下降気味なのが気になるところ。



子どもが自ら「見たい」と思う番組は、アニメやエンタメ系など気軽に楽しめるもの、同年齢との会話のテーマになりそうなもの(ちまたで流行っているもの)などが上位を占める。また、人気のアイドル・歌手などの芸能人が主演を演じている番組も、興味関心が集まる傾向が強い。これを「保護者が子どもに見せたい番組」と比較すると、そのほとんどにおいて相反するものであることがわかる。わずかに一部、「世界一受けたい授業」などのように中堅から下位層に位置する「教養・教育エンタメ」で一致する番組が見られる程度。

ベストなパターンとしては「保護者が見せたく、子ども自身も見たい」番組なのだが、なかなかそのような調子の良い番組はつくれそうにないようだ。特に子どもは「勉強」に強い拒否反応を示すようなので、いかに演出するかが番組制作側の腕の見せどころとなる。例えば「週刊こどもニュース」のような、子どもも大人も楽しめる番組(さらに欲をいえば子どもが進んで見たがる要素を持つ)が増えて欲しいものではあるが。


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