コロコロコミックス、ヤングアニマル嵐、コミック乱シリーズが伸びる…少年・男性向けコミック誌部数動向(2009年1月-3月)

2009/05/22 04:45

【社団法人日本雑誌協会】は2009年5月19日、2009年1月から3月分の印刷部数を公表した。主要定期発刊誌の販売数を「印刷証明付き部数」ベースで公開したデータで、正確さでは各紙が発表している「公称」部数よりはるかに高い。今回は、読者層を考慮してもっとも興味がそそられるであろう「少年・男性向けコミック誌」のデータをグラフ化し、前回掲載記事からの推移を眺めてみることにする。

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データの取得場所の解説や「印刷証明付部数」などの用語説明は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】に収録されている。そちらで確認をしてほしい。

まずは少年向けコミック誌。週刊少年ジャンプがトップにあることに違いはナシ。

2008年10-12月期と最新データ(2009年1-3月期)による少年向けコミック誌の印刷実績
2008年10-12月期と最新データ(2009年1-3月期)による少年向けコミック誌の印刷実績

「ジャンプ」は直近データで280.0万部。販売実数はこれよりも少なくなるので、前回と同じく250万部前後だろうか。その他の雑誌も販売数そのものに大きな差異はないが、前回と比べて「割合」で大きく数を減らしているものが数誌確認できる。また、今回対象となった13誌のうち、前期と比べて部数を伸ばしたのは「週刊少年ジャンプ」と「コロコロコミックス」のみ。

また、前回のデータから「月刊コミックブンブン」が非開示となった。同誌は前回初めて公開されたばかりで、休刊・廃刊の話も無く、なぜ突然非開示になったのかは分からない。

続いて男性向けコミック誌。こちらも世間一般のイメージ通りの印刷部数展開。

2008年10-12月期と最新データ(2009年1-3月期)による男性向けコミック誌の印刷実績
2008年10-12月期と最新データ(2009年1-3月期)による男性向けコミック誌の印刷実績

こちらも少年向けコミック誌同様、大きな変化はない。前回は「月刊コミック特盛」が非開示となりリイド社の三兄弟こと「コミック乱」「コミック乱ツインズ」「コミック乱ツインズ戦国武将列伝」が参入するなど新陳代謝が激しかったが、今回は脱落・参入共にナシ。その三兄弟は「コミック乱ツインズ戦国武将列伝」がやや落ち込んでいるものの、「コミック乱」「コミック乱ツインズ」は共にプラスで推移しており、他の雑誌が軒並みマイナスを見せる中で堅調さをアピールしている。

また、トップが前回の「週刊ヤングジャンプ」から「ヤングマガジン」に入れ替わったのが比較的大きな流れ。部数差はほとんどないのだが、やはりトップと二位との(イメージ的な)差は大きい。

さて、一応2期間の印刷部数を棒グラフ化したわけだが、続いてこのデータを元に各誌の販売数変移を計算し、こちらもグラフ化してみることにする。短期間の変移ではむしろこちらのデータの方が重要だろう。

要は約3か月間にどれだけ印刷部数(≒販売部数)の変化があったかという割合を示すものだ。なお当然ながら、今回データが非開示となった雑誌、今回はじめてデータが公開された雑誌はこのグラフには登場しない。

雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌)
雑誌印刷実績変化率(少年向けコミック誌)

マイナスが多いのは
・季節特性? それとも不調!?
・各雑誌のメリハリ
(連載記事や時節との連携)
による誤差の可能性
今回は冬休みが一部含まれ、さらに3月後半に入ると春休みに突入することなど、マイナスの「季節特性」すなわち「通勤・通学の際に購入されやすいタイプの雑誌の印刷数は、(前回と比べて減少している(=販売数が減る)」可能性を念頭においておく必要がある。

また、一部の雑誌では特定の記事・対象物・付録によって印刷部数が跳ね上がる場合がある。特定時期にこの「ビックウェーブ」がくると、突然数字は伸びるし、次期にそれが続かないと「フリーフォール」がおきるわけだ。また、人気連載が終了したり他誌に移動すると、それが読者減につながる可能性もある。これらの可能性を考慮すると、上下5%の変移は「誤差」として考えても差し支えないものと思われる。グラフ上薄いピンクや緑の棒グラフが「誤差」と見なしてもよい対象だ。

よって今回のデータで気になるのは、プラスは皆無、マイナスは「ドラゴンエイジ」「別冊コロコロコミックスペシャル」「少年エース」の3誌ということになる。ちなみに「少年エース」と「別冊コロコロコミックススペシャル」は前回プラスに大きく振れていたので、その反動と考えれば十分説明がつく(例えば「少年エース」の場合前回は+27.2%という値を示していた)。他方「ドラゴンエイジ」は前回も-8.3%という数字で、色々と心配してしまう。

続いて男性向けコミック。

雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック)
雑誌印刷実績変化率(男性向けコミック)

プラスは三兄弟のうちの二誌「コミック乱」「コミック乱ツインズ」と「ヤングアニマル嵐」のみ。前回よりはプラス誌が増えたのは幸いだが、それでも少々元気が足りないかな、という気はする。個々の値を見ると、青年から中堅層向けのジャンプ三誌(スーパージャンプ、ビジネスジャンプ、週刊ヤングジャンプ)が揃って大きく数字を落としていたり、「ヤングアニマル」本誌が軟調な一方で兄弟分的な「ヤングアニマル嵐」が堅調な値を見せるなど、興味深い結果も見えてくる。



今回参照したデータも、季節特性が多分に影響を与えているのだろうが、少年向け・男性向けコミックの多くが印刷部数を減らしているのが気がかり。あまりにもありきたりな推論だが、中期的に見れば携帯電話や携帯ゲーム機に読者の余暇時間を奪われ、雑誌そのもののセールスにも深刻な影響を与えているという現象の一端が、このデータにも現れているのだろうか。

なお今回の公開データで、四半期ごとに公開する現行スタイルにおいて、1年分のデータが出揃ったことになる。次回公開分からは季節特性を排除できる「前年同期比」のデータが算出可能となるため、より深い考察が可能となる。願わくば1年分のデータが揃う前に、非公開になるような雑誌が出てこないことを。


■関連記事:
【少年・男性向けコミック誌の部数の変化をグラフ化してみる(2008年10月-12月データ)】

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