【更新】「自動車に興味も関心もナシ」若年層ほど増加傾向

2009/05/22 04:25

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若い男性の自動車保有イメージヤフーバリューインサイトは2009年5月20日、若年層から中堅層の男性における消費行動意識などを対象にした調査結果を発表した。それによると調査母体においては、自動車に関する興味関心度が他の年齢層よりも低く、歳を経るにつれて上昇する傾向があることが分かった。若年層における自動車離れを裏付けるものとして注目に値するデータといえる([発表リリース、PDF])。


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今調査は2009年3月28日から30日にインターネット経由で首都圏一都三県在住の男性300人に行われたもので、年齢階層比は20-49歳で5歳刻みに50人ずつ。

男性にとって個人のこだわり、個性、好き嫌いが現れやすいとされる代表的な3アイテム「自動車」「腕時計」「携帯電話機」について、調査母体に対し興味・関心があるかどうかについて単一回答で尋ねたところ、「自動車」では年齢が低いほど関心も低い傾向が見て取れる。



自動車、腕時計、携帯電話機における、興味関心度
自動車、腕時計、携帯電話機における、興味関心度

20-24歳層では「とても」「やや」をあわせても半数でしかない。これが45-49歳になると7割にまで達するという結果が出ている。「腕時計」は逆に若年層ほど高い結果が出ているが、25-29歳以降は大きな変化はなく約4割を維持。一番「若年層ほど強い関心を引くのでは」と想像できる「携帯電話機」はいずれの年齢層でも5-6割と高い値を示しており、唯一45-49歳層で5割を切っている以外は年齢経過による変化は見られない(大きな変化といえば、携帯電話では「とても興味・関心あり」が45-50歳で大きく減っているくらいだろうか)。

若年層の自動車離れは特に自動車業界における大きな懸念材料。たとえば[産経新聞]が報じるところによれば、[ホンダ(7267)]が明治大学で講義を開き、若年層が自動車を敬遠する理由を探ろうとする動きを見せるなど、各社とも原因の解明と改善策の模索に苦慮している。また【消費しない「新ニッポン人」、休日の過ごし方で8割は「インターネットやメール」】でも少し触れているが、自動車離れが進んでいる若年層では、いわゆる「1マイル族」(行動範囲が1マイル=1.6キロ内に集約され、遠出をせずに消費を抑えて生活しようという、省エネ的なライフスタイルを持つ人たち)的な生活様式が浸透しつつある。

自動車を必要としないライフスタイルならば、興味関心が薄れるのも仕方が無い。無理に関心を持たせるよりは、関心が持つような自動車(の類)を提案するか、関心を持つようなライフスタイルに転換するような手を打つしかない。自動車メーカー単独で後者の手立ては不可能であることを考えると、「若年層が自動車に興味を持たない」ではなく、「若年層が興味を持つような自動車を開発する」ことこそが、今の自動車メーカーに求められている戦略ではないだろうか。


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