【更新】「子どもに見せたいテレビ番組」を持つ放送局をグラフ化してみる

2009/05/20 18:10

親子でテレビイメージ日本PTA全国協議会は2009年5月13日、「子どもとメディアに関する意識調査・調査結果報告書」を発表した。この報告書には多種多様な面から、子どもと保護者それぞれの立場におけるテレビやゲーム、雑誌などのメディアに対する実状・心境などが語られており、興味深いデータが色々と盛り込まれている。今回はそのデータの中から、保護者が「子どもに見せたい」と感じるテレビ番組について、ある視点からグラフ化を行うことにした。その視点とは「見せたい番組を持っているのは、どこのテレビ放送局なのか」というポイントである([発表リリース、PDF]>)。いわば先の【「子どもに見せたくないテレビ番組」を持つ放送局をグラフ化してみる】とはまったく逆の意味を持つものとなるわけだ。

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今調査は2008年11月10日から24日、小学5年生と同保護者・中学2年生と同保護者それぞれ2400人・計9600人に対して行われたもので、有効回答率は子どもが81.1%・保護者が75.2%。調査方法は調査票配布・回収方式で、本人が調査票を封印した上で回収されている。

保護者が回答している「子どもに見せたい番組」は、統計データとしては直近4年間分は10件以上得票のあったもの、さらにもう1年前は8件以上得票のあったものについて、全体回答数のうち何票を得たかなどが公開されている(今回発表されたデータには単年度のしかないので、過去分についてはそれぞれの報告書を参照した)。そこで具体名が公開されているものについて、それぞれの番組が属する放送局(キー局、系列)毎に票数を加算。その合計を回答数で割り、「放送局単位での『子どもに見せたいテレビ番組』保有度」を算出する。

順位表上に具体名が上がらなかった番組、例えば「ニュース番組」のようにジャンルで指定されて具体的な番組名が上がらなかったものなどはすべて「その他」に含めてあるので、今回の統計データ上では「ゼロ」になった放送局でも、実際には「子どもに見せたいテレビ番組」の票が入った可能性はある。

まずは2008年、つまり最新データにおける分布。東京における放送時のチャンネル順に並べてあるので多少順番が変に思えるかもしれないが、NHKの評判が高く、それに日本テレビ・フジテレビが続いている。

子どもに見せたい番組(2008年/放送局別)
子どもに見せたい番組(2008年/放送局別)

テレビ東京は「新設日本ミステリー」「ガイアの夜明け」のみが10件以上を獲得。テレビ朝日は「Qさま!!」が単独で3.9%を確保しているものの、他の番組が奮わずに全体としては少なめ。また、全般的に日本テレビの「世界一受けたい授業」、TBSの「どうぶつ奇想天外!」フジテレビの「平成教育委員会」、NHKの「週刊こどもニュース」など、教育エンタメ系の評価が高い。

同じ手法で2004年までさかのぼって算出し、推移をグラフ化したのが次の図。

「子どもに見せたい番組」を有する放送局(上位番組のみの統計)
「子どもに見せたい番組」を有する放送局(上位番組のみの統計)

2004年のNHKとTBSがやや特異な値を示している。これは全体的に「票が分かれて上位具体名リストから外れるような」いわゆる死票が少なかったこと、NHKでは長期定番番組が軒並みランクインしたこと、TBSでは長寿番組の「どうぶつ奇想天外!」「3年B組金八先生」が両方とも10%超えの数字を出すなど人気が集まったことによる。一方そのTBSも、次第に右肩下がりの傾向を見せているのが気になる。

テレビ東京の値が低いのは「見せたくない番組」同様に、元々子ども向け番組自身が少ないことによる。他方テレビ朝日はそれなりに子ども向け番組を提供しているはずなのだが、結果としては今ひとつさえないものがある。



保護者が「子どもに見せたい番組」の多くは、何らかの形で知的探究心をかき立てるもの、先に表現した「教育エンタメ系」の番組。「ためになる番組を見せて学んで欲しい」という親の意向がよく分かる。

もちろん「見せたくない番組」同様に、「見せたい」と認識されるにはまず初めに注目される必要があるし、保護者の価値観だけが絶対という保証も無い。そしてあくまでも「子どもに」見せたい番組であり、保護者自身の目線から(自分が観ると仮定した場合においては)単なる平凡な番組に過ぎないかもしれない。また、これらの番組構成はあくまでも保護者目線であり、実際に観る子どもがどのように判断するかはまったく考慮されていない(保護者が勧める番組が、子どもにとっては苦痛でしかないこともしばしばある)

親子でテレビイメージとはいえ、子どもを育てる立場の保護者の目線では「好ましい」と思われている、言い換えれば「良質番組」の多い少ないがテレビ放送局(放送する側・放送する番組を作る側)によって異なる傾向を見せているのも事実。先の「見せたくない番組-」同様に、一つのものの見方としてはアリではないだろうか。

なお前回の「子どもに見せたくない番組」、今回の「子どもに見せたい番組」双方で、年数を経るにつれて「その他」、つまり一定数以上の得票が得られなかった番組数の比率が増加する傾向にある。例えば今件の「見せたい番組」なら、2004年は7.8%(+無回答4.3%)だったのに対し、2005年は18.3%、2006年21.2%、2007年31.5%、2008年40.9%という具合だ。いくつか原因が考えられるが、一つは「短期集中型の番組の増加で結果的に放送番組本数が増加したことによる票の分散」もう一つは「趣味趣向の多様化による票の分散」が想定される。テレビ番組の提供・放送構造そのものの変化も、このデータには見え隠れしているのかもしれない。

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