100円ショップ来訪客の世代をグラフ化してみる

2009/05/20 07:41

100円ショップイメージ先の【ローソン100の「バリューライン惣菜」(ミニチキンカツ弁当などの弁当やカニクリームコロッケなどの惣菜)】、そしてそこから派生した形で【コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる】など、「コンビニと比べて100円ショップには高齢者が足を運ぶ機会が多いのでは?」という疑問に対する調査を進めていく過程で、やはりこの類の情報は企業側にとって「とても大切なデータ」であることが分かった。内部情報としては存在するものの、そのままズバリ公開・掲載されているのは皆無で、コンビニについては先日の記事にあるように、何とか1つ見つかった程度。今回ようやく(やや正確さ・データの新鮮さには欠けるものの)100円ショップ側の「来訪客世代割合」を見つけることができたので、それをグラフ化してみることにした。

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具体的なデータの掲載場所は、代表的な100円ショップ「Shop99」を運営する【九九プラス(3338)】の2007年11月28日に公開された「2008年3月期中間決算説明会資料(PDF)」。この18ページに概要として、Excelで作ったものと思われる横書きの棒グラフが記載されている。「シニア層・単身者に向けたサービス展開をしているから、今後もうちは期待できるよ」という主張を裏付けるためのデータである。

2008年3月期中間決算説明会資料にある、来客の年齢階層別グラフ
2008年3月期中間決算説明会資料にある、来客の年齢階層別グラフ

これをこのままベタ貼りしてオシマイ、でもいいのだが、それでは少々味気ない。そこで、グラフ下のメモリと各棒グラフの長さを元に、具体的数字を「概算」で求め、いくつかのグラフを生成することにした。あくまでも計測値であり、実際に九九プラスが取得している数字とは多少の誤差があること、そして2007年11月発表のデータなため、1年半ほど経過している現在ではズレが生じていることをあらかじめご了承いただきたい。

まずは男女比。意外に女性が多いことが分かる。

Shop99における利用客男女比
Shop99における利用客男女比

そして算出したデータを使い、大元のグラフを再構成したのが次のグラフ。

Shop99における利用客構成比(男女積み上げ・年齢階層別)
Shop99における利用客構成比(男女積み上げ・年齢階層別)

30代以降、来客数の割合が高止まりしていることが分かる。見方を変えれば、20代以下の来客はほとんど無視できる(全部足しても1割強)数でしかない。

これをさらに男女別に区分したのが次のグラフ。

Shop99における利用客構成比(男女区分・年齢階層別)
Shop99における利用客構成比(男女区分・年齢階層別)

男性の方がいずれの年齢階層においても多いのだが、30代以降は歳を経ても女性の来場数に大きな変化がないことが分かる。Shop99は元々生鮮食品を多く取り扱うタイプの100円ショップなため、食品をはじめとした生活必需品を買い求める主婦層が多く来訪するということだろう。特に50歳以降になっても来客数が落ちないのは注目に値する。

せっかくなので、先の「コンビニ来訪客の世代分布をグラフ化してみる」で確認した【セブン&アイホールディングス(3382)】傘下のコンビニ、セブンイレブンの来客年齢階層比と比較してみることにする。セブンイレブンのデータは、もっとも近い2007年度のものを採用した。いわば「コンビニと100円ショップの来客年齢階層比の違い」なわけだ。

セブンイレブンとShop99の来客年齢階層比
セブンイレブンとShop99の来客年齢階層比

先の記事では「コンビニの来客も、近年中堅・高齢者の割合が増加しつつある」ことについて触れたが、Shop99(などの100円ショップ)では特に高齢者層が「厚い」ことが確認できる。コンビニにおいて年代が経過すると共に高齢者の割合が増加していくのは、【子どもと成人とお年寄りの割合の変化をグラフ化してみる】にもあるように高齢者そのものの割合が増えているのが一因であることに違いはないが、2007年度という単年度において100円ショップの高齢者比率が高いのは、やはり100円ショップが高齢者に好かれている、逆に言えば100円ショップが高齢者向けの構成・構造をしているからなのだろう。



100円ショップの中でも、生鮮食品を多量に取り扱ったタイプの100円ショップは、半ば「廉価商品版スーパー・何でも屋・コンビニ」の傾向が強い。そして高齢者はどちらかといえば、「ここだ」と決めたお店を重点的に利用し、あちこちに浮気をしない傾向がある(身体の負担もあり、行動範囲が狭まるため)。その観点からみると、食品をはじめ多くの商品が安価で並ぶ100円ショップは、自分の行動範囲内に存在すれば、高齢者にとっては代えがたいお店の立ち位置を確保できるに違いない。

100円ショップと高齢者イメージ他の100円ショップは最大手のダイソー、そして複数の上場企業もあわせ、公開資料には来客の年齢階層に関する資料は公開されておらず、今回はShop99のデータしかそろえられなかった。しかしShop99と同様に、生鮮食品をそろえるタイプの100円ショップもやはり、似たような傾向を見せているのだろう。

一時期はコンビニとの差別化が希薄化したことや、中国産輸入食品の安全性問題で色々と大変な目にあった100円ショップたちだが、年齢階層比や今後の人口ピラミッドの推移をみると、意外に面白いことになるかもしれない。そして各コンビニチェーン店が、100円ショップに接近する傾向を見せているのも、実は上に掲載したグラフが示すものにその一因があるのだろう。

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