任天堂、Wiiの他社ソフト低迷について「制作に時間がかかる」「新ハードに慣れていない」と分析

2009/05/11 05:20

Wiiイメージ[任天堂(7974)]は2009年5月8日、2009年3月期における決算説明会の資料を一般公開した。それによると、同社の据え置き型家庭用ゲーム機Wiiにおいて、日本国内のソフト販売状況が欧米と比べ、任天堂及びポケモンに傾倒する傾向が強いことが明らかになった。任天堂側ではこの状況について、同社の携帯型ゲーム機ニンテンドーDSのような、他社ブランドのソフト開発誘導がうまくいかなかったことを表明している(【発表ページ】)。

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公開された決算説明会資料では、さまざまなデータを元に任天堂のソフト・ハードにおける現況を解説している。その中で、日本国内においてはユーザー人口の比率が「30代後半から40代」「10代」に片寄り、(例えば【アメリカ人のXbox360・Wii・PS3のゲームプレイ日数をグラフ化してみる】で例示したように)欧米諸国のような幅広い年齢層への展開がかなわない状況を説明している。

この状況の原因について任天堂側では資料の中で、「任天堂ハードでは、売れるのは任天堂のソフトばかりで、ソフトメーカーさんのソフトが売れない」という指摘をよく受けることを例にあげ、Wiiにおいては「DSやWiiなどの新概念を持つハード」における基本戦略である、

・ハード発売から2年間は任天堂が魅力的なソフトを次々投入してハードの普及を狙う
・ハードが普及した後は(ソフトを展開してもビジネスが成り立つハード数が普及しているため)他社ソフトメーカー、つまりサードパーティーが多彩なソフトを展開するようになる
・サードパーティーから多彩なソフトが出れば、年齢構成もバランス良くなる

がうまく機能していないことを述べている。



日米欧のWiiにおけるファーストパーティー(任天堂)とサードパーティー(他社メーカー)の販売ソフト比率。日本のみ任天堂の比率が高いままで推移しているのが分かる。
日米欧のWiiにおけるファーストパーティー(任天堂)とサードパーティー(他社メーカー)の販売ソフト比率。日本のみ任天堂の比率が高いままで推移しているのが分かる。

この状況について任天堂側では、

・Wiiではサードパーティーがソフトを制作するのには時間がかかる
・Wiiは新しい思想のハードであり、サードパーティーがソフト制作に苦労している

などを理由に挙げている。

ではなぜ欧米ではそれが出来たのか。それについて任天堂の資料では言及が無い。発売のタイミングは日米欧でほぼ同時であり、開発時期の違いは無いに等しい。原因はいくつか考えられるが、日本と比べ欧米では、いわゆる「奇妙奇抜な発想の新しいものに対する抵抗心が薄い」「バカゲーに代表される斬新な発想を持ったゲームソフトを市場に展開する地盤が、作り手・買い手共に整っている」のが大きな要因だと思われる。一言で言い換えれば、「日本のゲーム市場は作り手(サードパーティー)も消費者もチャレンジ精神に欠けている」というところだろう。

新しい思想・発想のハードでは、既存概念にとらわれたソフト作りをしていては、結局出来上がるソフトも既存のゲームハードの殻を打ち破ることは出来ない。よく言えば安定堅実志向ではあるものの、それがWiiではネガティブに働いたということになる。



任天堂では資料の中で、今後は大型ソフトの相次ぐ登場で、日本国内においてもWiiのサードパーティーの躍進が始まるのではないかという期待をすると共に、任天堂側でもバックアップをする姿勢を見せている。

果たして任天堂の期待通り、日本のサードパーティーがWiiで素晴らしい、ゲームプレイヤーのハートをつかむようなソフトを市場に送り出し、シェア比率を変えていくことができるのか。今後の各メーカーのソフト発売動向に注目したい。

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