子どもと成人とお年寄りの割合の変化をグラフ化してみる

2009/05/10 09:19

三世代世帯イメージ総務省統計局は2009年5月4日、5月5日の子どもの日にちなんで、同年4月1日における日本の子どもの数に関するさまざまなデータを公開した。「15歳未満人口は28年連続の減少、子どもの割合は13.4%で35年連続の減少」などの文字が報道をにぎわせたのでご存知の方も多いと思う。今回はその統計局のデータを元に、こどもの日前後にはあまりスポットライトを当てられなかったデータをグラフ化してみることにした。具体的には「年齢3区分別の人口割合推移と総人口」である(【該当データ掲載ページ】)。

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「年齢3区分」とは「0-14歳(子ども)」「15-64歳(成人)」「65歳以上(高齢者)」。特集ページ用データということで表組には1950-2005年までは5年単位のデータが表示されている。統計局のデータベースには1年単位のデータがあるのだろうが、戦争や大地震など、劇的な人口変化の原因となるような事象は幸いにもこの半世紀の間起きていないので、推移をみるにはこれで十分。スキマの年数は、直近のデータで補完してグラフを生成することにする(例えば1951-1954年なら1950年のデータを当てはめる)。

まずは年齢3区分の人口割合のみのグラフ。

日本の年齢3区分別人口割合(2005年までは5年単位で単純化)
日本の年齢3区分別人口割合(2005年までは5年単位で単純化)

日本の年齢3区分別人口割合(2005年までは5年単位で単純化・各項目別)
日本の年齢3区分別人口割合(2005年までは5年単位で単純化・各項目別)

戦後一貫して子どもの割合が減少し、その一方で高齢者の割合が増加しているのが確認できる。これは前者においては社会構造の安寧化に伴う「生き物」としての本能の反動(死傷率が高い社会では種を残そうという本能から出生率が高くなる傾向がある)や、成人・高齢者の死亡数が少なくなることで相対的に減少しているようだ。また、直近においては子どもの養育に対する負担増もプレッシャーとして考えられる。

他方後者、つまり高齢者の増加は医学や社会制度の整備により、成人の死亡率が減少し、成人がそのまま高齢者にスライドする割合が増加した結果によるもの。15歳から64歳の成人の割合が最近まで変化せず、「子ども」と「老人」が反比例の関係にあることからもそれが分かる。

ところが2000年前後、「成人」と「高齢者」の割合が逆転したあたりを境に、成人の割合も減少・高齢者の増加傾向がさらに顕著なものとなりつつある。どうやら今世紀に入ってから、人が長生きするための仕組みがさらに進歩して高齢者の生存率が高まりを見せ、それが高齢者の割合をかさ上げしているようだ。

このグラフに総人口の推移を重ねると、また別の事実が見えてくる。

日本の年齢3区分別人口割合と総人口(2005年までは5年単位で単純化)
日本の年齢3区分別人口割合と総人口(2005年までは5年単位で単純化)

やはり2000年前後がターニングポイントのようで、総人口が横ばい-減少傾向を見せているのが分かる。たとえ子どもの比率が減少を見せても、総人口が増加しているのならば子どもの「数」は横ばい、あるいは増加の可能性がある。ところが総人口が減少し、割合も減っているのなら、「子ども」の数そのものも大きく減っていることを意味している。これは【3世帯に1世帯以上が独り暮らし・4割が65歳以上……2030年の日本像推計】でも指摘した、結婚しない人やパートナーと死別した・離婚した人が増えることを示唆しているといえる。



成人・高齢者の「人数」が増加することは、社会制度や医学の進歩を意味するものでもあり、それ自体は決して悪いことではない。しかしそれに見合った子どもの増加が伴わないと、年齢区分のバランスが崩れ、これまでの社会制度が成り立たなく可能性が出てくる(年金問題が好例)。以前【50年前16.5人、今3.5人・高齢化社会を表す一つの数値】でも指摘しているように、年齢区分のバランスが変化するのが明らかならば、それに見合った新しい仕組みを早急に考え、実行していくる必要が求められている。

何しろ年齢区分は今回例示したグラフのように、数十年単位でしか動かせないのだから。

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