中学生・高校生のおこづかい額

2009/05/09 10:00

このエントリーをはてなブックマークに追加
こづかいイメージ直前の記事で、ピーネストの調査結果として「女子中高生が母の日にプレゼントする際の予算は500円-2000円以内は約5割」という話について触れた。リリースによれば「女子中高生たちも、少ないおこづかいの中から頑張ってプレゼント代をねん出しているようです」とあり、こづかいのうちかなりの額をしめていることが分かる。それでは具体的に、中学生や高校生のおこづかいは平均してどれくらいの額なのだろうか。せっかくなので調べてみることにした。


スポンサードリンク


中学生1400円、高校生は不明……ネットマイル調査
まずは昨月【「お友だちのおこづかい、いくらかな?」小中学校のおこづかい、中高学年は「ゼロ」が3割】で紹介した、ネットマイル調査の結果。こちらでは高校生の回答者が少なくデータとして掲載するには不十分とのことで、小中学生について「一か月のおこづかい額の階層」と「概算平均額」を算出している。

一か月のおこづかいは?(再録)
一か月のおこづかいは?(再録)

おこづかいの平均値(概算)(再録)
おこづかいの平均値(概算)(再録)

携帯電話代は別にしても、毎月1000円強のおこづかいの中から母の日に500円-2000円をねん出するのは相当大変なようすがうかがえる。お年玉などで補てんしているのかもしれない。しかし今調査はあくまでも当方による概算値であること、さらに高校生のデータは無いことから、結果としては不十分。もう少し調べることにする。

中学生2700円・高校生5600円……「子どものくらしとお金に関する調査」
続いて金融広報中央委員会「知るぽると」が2005年度版として公表した【子どものくらしとお金に関する調査】の調査結果。2005年12月から2006年3月にかけて、小中高生に対し調査票郵送方式によって行ったもの。調査母体はそれぞれ1万件前後に達しており、データそのものはやや古めなものの、精度としてはかなり高い部類に入る。


中学生のこづかい(子どものくらしとお金に関する調査2005年版より)
中学生のこづかい(子どものくらしとお金に関する調査2005年版より)


高校生のこづかい(子どものくらしとお金に関する調査2005年版より)
高校生のこづかい(子どものくらしとお金に関する調査2005年版より)

中学生の額を比較すると、先のネットマイルの結果と比べて2倍近い差が出ている。3年でこづかいが半減するとは思えないので、調査母体そのものの変移か、あるいは携帯電話の使用料をどれだけ負担するかの違いが出ているのかもしれない(今調査では携帯電話使用料の負担(割合問わず)をしているのは中学生1割未満・高校生でも2割未満)。

中学生2600円・高校生5400円……「第一回子ども生活実態基本調査」
二つだけではやや不安が残るので、もう少し資料を重ねてみる。ベネッセが2005年に発表した【第一回子ども生活実態基本調査】から、【お金の管理などのページ】に掲載されていたもの。調査自身は2004年11月-12月に学校通しの質問紙による自記式調査で行われ、有効回答数は合計1万4841人。そのうち中学生は4550人、高校生は6051人。学年別・都市圏別で区分がされているが、なぜか高校3年生は調査対象外となっている。そのためやや高校生の額が実際平均よりは低めに抑えられている可能性があることを考慮しておかねばならない。


中高生のこづかい(第一回子ども生活実態基本調査より)
中高生のこづかい(第一回子ども生活実態基本調査より)

中学生2559円・高校生5379円と、調査時期が近いせいもあるが、「子どものくらしとお金に関する調査」の結果に極めて近い値を示している。なおこちらのデータでも携帯電話・PhSへの支払い(一部・全部負担など割合は考慮せず)は中学生4.7%・高校生10.8%と、比較的低い値である。

中学生2750円・高校生6800円……「家計の金融行動に関する世論調査」
最後は、やはり「知るぽると」から【家計の金融行動に関する世論調査の2008年版データ】。全国から無作為に8000調査世帯を選び(回収は3886世帯)、訪問・郵送方式を併用して調査を行っている。調査時期は2008年6月10日から7月18日で、今回取り上げたデータとしてはネットマイルのものをのぞけば一番新しいものとなる。

こどものこづかい額(家計の金融行動に関する世論調査(円/月・2008年版))
こどものこづかい額(家計の金融行動に関する世論調査(円/月・2008年版))

中高生ともやや高めの値を示している。なお今データは世帯主から見たものであるため、この額に携帯電話使用料が含まれているかどうかまでは分からない。



今回新たに取り上げた3調査結果では、いずれも中学生2000円台・高校生5000円台後半-6000円台という結果が出ている。恐らくはこの値が、平均的な中高生のこづかい額なのだろう。最後に取り上げた「家計の金融行動に関する世論調査」では、世帯主の年収別おこづかい額も掲載されていたが、意外にも(!?)年収額とこづかい額の間には相関関係は見られなかったことを付け加えておく。

ネットマイルの調査のみインターネット経由のもので、その他の調査結果はすべて実際の調査票や面通しによる調査によるもの。【10代のおこづかい、ケータイ費用がチョー負担】にもあるように、10代においては携帯電話の利用料金が「携帯電話を多用している層では」大きな負担になっていることを考えると、ネットマイルの調査母体層では「あらかじめ携帯電話料金を差し引いた額がおこづかいとして手渡されている」人が多い可能性も否定できない。

また、いずれの結果でも定点観測的な調査は行われていない。昨今の景気動向に際し、子どものこづかいがどのように変化していったのかも気になるところではある。


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS