新型インフルエンザの警戒レベル、フェーズ5に引き上げ・WHO正式発表

2009/04/30 07:05

新型インフルエンザイメージ世界保健機構(WHO)は2009年4月29日、豚インフルエンザから変移した新型インフルエンザの感染者が世界各国で確認されていることを受けて、世界の対新型インフルエンザ警戒水準を示すフェーズを「フェーズ4」から「フェーズ5」に引き上げたことを正式に発表した。これは「かなりの数のヒト-ヒト感染があることの証拠がある」を意味しており、いわゆる「パンデミック期」の一歩手前でもあることを宣言したことになる(【発表リリース、英語】)。

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WHOの新型インフルエンザウィルスに対する警戒レベル一覧。数字は当方で書き換えたもの
WHOの新型インフルエンザウィルスに対する警戒レベル一覧。数字は当方で書き換えたもの

新型インフルエンザが生まれるまでのプロセス。
新型インフルエンザが生まれるまでのプロセス。【BBC NEWS】で配信されていたものを再構築したもの(再録)。

リリースによると現在確認されている情報や専門家らによる協議の結果、フェーズ4をフェーズ5に引き上げることを決定した。また、「フェーズ5」という「パンデミック期」が差し迫った状況にあるという事実に対して、冷静にかつ真剣に情勢を受け止めると共に、有史上いかなる時代よりも現在がパンデミックに対する備えが整っている事実も認識しておく必要があるとコメント。さらにこの体制の整備についてリリースでは投資になぞらえ「H5N1型鳥インフルエンザから発現するであろう新型インフルエンザへの備えはまさに投資であった。現在の防疫体制は、その投資の利益を受益している形である」と説明している。

同じく史上初の防疫体制の具体例として「私たちはリアルタイムで、パンデミックへのプロセス」を追跡できるとし、情報伝達スピードが過去の「インフルエンザなどのパンデミック」の到来時期とはレベルが違うとしている。適切でスピーディな対応が出来る準備も整っていると解説。

さらにWHOではこの「フェーズ5」発信に対し、各国はパンデミックに備えて整備していた各種プランを実働化し、非常警戒態勢に移行すべきであると忠告している。またWHO自身もあらゆる関係機関(医療関連の政府機関、製薬関連業界、世界銀行をはじめとする経済的な支援機関、ワクチン製造メーカーなど)に「対処要請」を実施したとのこと。

WHOでは過去の経験則から、新型インフルエンザの世界的流行によって、経済的に恵まれた国々では軽い症状で済むものの、いわゆる発展途上国では死亡率が高まる可能性が高いことに対して憂慮の意を伝えている。そして国際社会全体として手を差し伸べねばならないとも進言している。

今発表は日本時間の早朝までに行われたもので。「フェーズ5」に移行したことにより、日本の政府機関でもこれから、準備されていた各プランに基づき、各種対応が行われるものと思われる。出来うる限り公的機関からの直接の情報を元に、冷静沈着に判断・行動してほしい。


View 2009 Swine Flu (H1N1) Outbreak Map in a larger map
イギリスのコンピュータサイエンティストL R氏によるマップ。【直接リンクはこちら】

【豚(新型)インフルエンザについてまとめてみる】でも触れているが、今回の新型インフルエンザは「治療薬は存在するしストックも十分に備わっている」。また、「警戒フェーズは感染の度合いを示すものであり、死亡率とは連動しない」。さらにいえば通常の季節性インフルエンザでも毎年数百-千人程度の死亡者が生じている。あおりたてるような記事タイトルに代表される、一部報道で戸惑い、混乱することのないよう、くれぐれも注意して欲しい。


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【新型インフルエンザへの食料品など家庭備蓄品を考察する(1)前書きと事前知識】
【新型インフルエンザ・記事まとめリンクページ】

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