【更新】医師数の変化をグラフ化してみる

2009/04/24 04:55

医師イメージ財務省は2009年4月21日、「財政制度等審議会 財政制度分科会 財政構造改革部会」を開催、その会合において使用した配布資料を公開した。現在日本が抱えている問題を財務的な面から分析が可能な資料が配され、またそれに対する施策案が描かれており、非常に興味深い内容となっている。今回はその資料の中から、【「医師密度指数」、東京と茨城では4.56倍もの差】に類する形で医師数の変化などをグラフ化してみることにした(【発表リリース】)。

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まず最初にグラフ化してみる……というよりは「グラフ化してある」のは(笑)、1996年から2006年における各診療科別医師の推移。1996年の値を1.00とした場合、各科の2年おきの推移を折れ線グラフにしたものだ。

各診療科別医師数推移
各診療科別医師数推移

パッと見で分かるのは、総数もあわせほとんどの科の医師数が増加している一方で(もちろん【「医師密度指数」、東京と茨城では4.56倍もの差】にあるように、各地域まんべんなく増加しているわけではなく、片寄りが生じた上での増加である)、外科と産婦人科のみが減少を続けているのが分かる。特に2002年以降の減り方が著しい。

これが一目瞭然に把握できるのが、10年間における変移を棒グラフ化したもの。産婦人科医はこの10年で1割も減少してしまっている。

1996年から2006年における主な診療科別医師数の推移
1996年から2006年における主な診療科別医師数の推移

精神科はニーズに応える形で増加、小児科は少子化傾向にあるもやや増加など、ほとんどの科で増加している、のだが。それだけに外科と産婦人科の減り具合が目立つ。

1996年から2006年の10年間の医師の推移を産婦人科にしぼって計算すると、変化率は全国平均で-10.6%。これを県別で計算し、表組(元資料)と地図上に表したのが次の図。ほとんどの地域で平均以上の減少率を見せているのが分かる。

1996年から2006年の10年間の産婦人科医医師の推移
1996年から2006年の10年間の産婦人科医医師の推移

県別1996年から2006年の10年間の産婦人科医医師の推移で、プラス地域と全国平均以下を2区分で色分けしたもの。
県別1996年から2006年の10年間の産婦人科医医師の推移で、プラス地域と全国平均以下を2区分で色分けしたもの。白地図抜粋は【世界地図|SEKAICHIZU】から。

10年の間に産婦人科医が増加したのはわずかに4県、山梨県・埼玉県・栃木県・沖縄県のみ。また、東北や四国など関東以外の地方で特に減少が深刻化しているのが分かる。



たびたび報道されることで、あるいは自分自身やその間近で実感して状況を把握している人も多いだろうが、特に産婦人科の医師数の減少は社会問題と化している。一部の過剰報道がきっかけで産婦人科医や外科医への風当たりや訴訟リスクが急増し、さらに医療費制度の改正で、いくら志が高くとも「現状では続けることはかなわない」と医学の道を断念したり外れる人が相次いでいる。

もっとも尊い「生命の誕生」にたずさわる者たちが、半ばいらぬ茶々で仕事を追われ、あるいは志を断念させられる状況は決して健全とは言い難い。一部の声高な人のため、ではなく出来る限り多くの人のため、そして正しい選択をしている人のため、しかるべき人が働き、動くべきだろう。

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