【更新】「チラシ」＋「テレビ番組表」＝「無料配布」……リクルートの「無料宅配サービス」をのぞき見る

2009/04/24 04:40

先日「こういった面白いサービスがあるんだけど」と[ダイヤモンドオンラインの記事「リクルートがエリア拡大する番組表無料宅配に新聞業界激震」]を読むことを薦められた。リクルートが地域限定で行っている新事業の話なのだが、簡単にまとめると「週刊テレビ情報紙と地域のチラシを一週間分まとめて毎週金曜日に無料で宅配する」というもの。タイトルにあるように既存メディアの意義を問われるサービスとして、色々な方面で物議をかもしているという。早速内容を確認してみることにした。




「無料宅配サービス」
元記事や具体的なサービス([無料宅配サービス])は、元々リクルート社が行っていたウェブ上からチラシやクーポンを入手できる[タウンマーケット]の派生サービスとして登場したもの。サービスは極めてシンプルで、概要を箇条書きにすると次の通りとなる。


要は「新聞は広告とテレビ欄があればオッケー」という人のニーズにベストマッチしたサービス。以前「財団法人新聞通信調査会」が提示した資料の中に、「満足度が一番高い新聞記事はテレビ・ラジオ欄」というデータがある(【もっとも満足されている新聞の記事、社会記事でも政治記事でもなくて……】)。これを見る限り、無料ならば満足度の低い他の記事を切り捨て、テレビ・ラジオ欄とチラシだけで、という選択肢を取る人も少なからず出てくる事は容易に想像ができる。

一方、現在では「試験運用」の荒さが目立つようで、チラシの内容について多少の地域的なズレが生じていたり、新聞に入っているようなチラシが含まれていないケースも認められているとのこと。また、もっとも多く利用すると思われる主婦層が一番重要視するスーパーのチラシ([細かく目を通すチラシは「スーパー」のものが一番多い:ゆびとま(外部サイト)])があまり入っていないとの意見もあり、運用における今後の課題の一つといえる。

●可能性を色々と妄想する
「無料宅配サービス」(正式運用になれば「リクタク」など、何か適切なネーミングがなされるのだろう)の問題点や改良点など、思いつくものを色々と、こちらも箇条書きにしてみる。


さらに、最終的にはまったく同じサービスをデジタル上でも行い(ウェブサービスとしてブラウザ上で閲覧できるようにしても良いし、登録会員に週一でPDFファイルなりを送付しても良い。それが出来るのなら、iPhone向けやケータイ向けなども不可能ではない)、媒体を選択、網羅できるようにすれば、利用者も受益できるサービスが増え、広告主も露出機会の増加で満足度も高まることになる。

現時点では色々と試行錯誤を繰り返している段階ではあるが、上手に仕組みを作り上げていけば、今やメディアの一つとして確固たる地位を得たフリーペーパーのように、大きく躍進することが期待できよう。

もっともその場合、同時に現在の新聞の立ち位置は、さらに微妙なものとなることは否定出来まい。

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