RPGの始祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の作者、がんに倒れる

2009/04/13 07:25

ダンジョンズ&ドラゴンズイメージ一定のルールに従い役になりきって楽しむ、いわゆる「ロールプレイングゲーム(RPG、RolePlayingGame)」を体系化・商品化したはじめての作品であり、その後のロールプレイングゲームに多大な影響を与えた『D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ、Dungeons & Dragons)』の共同作者の一人であるデイブ・アーンソン(Dave Arneson、デイビッド・ランス・アーンソン)氏ががんのため2009年4月7日に亡くなったことが明らかになった。同年4月9日付けのD&Dの公式サイトにて告知された。享年61歳。公式サイトでは「がんとの最終決戦の末、帰らぬ人となった(passed away on Tuesday evening, April 7th, after waging one final battle against cancer.)」と記されている(【発表リリース】)。

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デイビッド・ランス・アーンソン氏の逝去を伝える告知。公式ページトップに掲載。
デイビッド・ランス・アーンソン氏の逝去を伝える告知。公式ページトップに掲載。

元々一定のルールに従い、ミニチュアのフィギュアを複数使ってテーブルの上に敷かれた地図上で戦いあう卓上模擬戦(いわゆるシミュレーションゲーム、ウォーゲーム)は昔から存在していた(二人の創設者が出会ったのも、シミュレーションゲームのイベントGenConにおいてだった)。D&Dが新しい仕組みのゲームとして注目されたのは、特定のキャラクタを何度と無くプレイして、経験を積み重ねられる仕組みを取り入れた点にある。シナリオをこなしていくうちにプレイヤーの分身たるキャラクタがレベルアップし、色々なアイテムや魔法をそろえていく過程は、一回一回のプレーが「それでオシマイ」ではなく、「長き冒険物語」の一シーンでしかないことを意味していた。まさに分割された「英雄譚」における主人公の役を演じることができたのだ。

TRPGプレイ中イメージこの仕組みを取り入れた、テーブル上で地図やフィギュアを広げることから「テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)」とジャンル分けされたゲーム「D&D」をデイブ・アーンソン氏ともう一人の共同作者ゲイリー・ガイギャックス(Gary Gygax、2008年に他界)が1974年に作成、TSR(Tactical Studies Rules)社から発売。以後、会社の買収や判の変更を重ねながら、現在に至るまでTRPGの始祖的存在として重要な立ち位置を占めている。

「D&D」は「西洋の中世をイメージした魔法と剣とモンスターからなるファンタジー世界」「迷宮にもぐって敵を倒し謎を解き、お宝を得て経験値を積む」というロールプレイングゲームの基本イメージ、そして前述したように「自分の分身となるキャラクタが経験を積み成長する」「複数のシナリオで活躍する」という基本システムを確立したものとして、ロールプレイングゲームの歴史を語る上では欠かせない存在であると共に、多数のゲーム(テーブルゲームだけでなくゲーム機やパソコンのゲームにも)に影響を与えた。例えば有名どころでは『ウィザードリィ』シリーズの初代『ウィザードリィI』は、この『D&D』をコンピュータ上で再現するというコンセプトで製作したことで知られている。

また、D&Dは欧米では他のTRPG同様多くの人に周知されており、それは日本における将棋や囲碁、麻雀と同じような立ち位置にある。SF映画『E.T.』では、E.T.の行動様式や性格を推し量る目的などから、子どもたちがE.T.と一緒にD&Dに興じる場面があるほどだ。

テーブルゲームだけでなく、デジタル系のゲーム業界にも多大な貢献を行い、恩恵をもたらした人のあまりにも早い逝去はまことに残念でならない。心からご冥福をお祈りしたい。

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