アルバムミリオン7本、前年比で2倍以上…CDやネット配信の「ミリオンセラー」動向(2009年発表)

2009/04/07 04:00

日本レコード協会は2009年4月3日、「日本のレコード産業2009」を発表した(【発表リリース】)。同協会調査による2008年のレコード・音楽産業の概要を網羅した資料であり、音楽業界の動向を多方面から確認できる、貴重な資料といえる。今回はこの資料のデータの中から、以前【「最近ミリオンセラーって減ってない?」の「ミリオンセラー作品数」を仕切り直してみる】でグラフ化した、100万枚以上の売上を上げた作品、すなわち「ミリオンセラー」の推移について、最新版のデータを反映させ+αをしてみることにした。

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雑誌やゲームソフトでも使われている言い回しでもあり、作家・出版元にとっては目標の一つでもある「ミリオンセラー」。先の記事では1989年以降2007年までのデータをグラフ化したが、今世紀に入ってからミリオンセラーは急減し、2007年にいたってはシングル0・アルバム3・ダブルミリオン(200万枚以上)はゼロという物悲しい結果となっていた。2008年は雰囲気的に見ても邦盤がやや盛り返した感があり、もう少し上を望めるかな……と思っていたが、フタをあければ予想以上の結果が確認できた。

音楽CD・ミリオンセラーの推移(1989年-)など
音楽CD・ミリオンセラーの推移(1989年-)など

2008年も残念ながらダブルミリオンを記録する曲は登場しなかったが、アルバムのミリオンが7本と2007年の2倍以上の結果を見せている。具体的には

・EXILE CATCHY BEST(EXILE)
・HEART STATION(宇多田ヒカル)
・B'z The Best“ULTRA Pleasure”(B'z)
・BEST FICTION(安室奈美恵)
・EXILE BALLAD BEST(EXILE)
・あっ、ども。おひさしぶりです。(GReeeeN)
・SUPERMARKET FANTASY(Mr.Children)

の7本。ただ、大御所的な立ち位置の歌手・グループによる「手堅い」作品が多く、唯一2007年にメジャーデビューを果たしたGReeeeNのアルバム「あっ、ども。おひさしぶりです。」が新鮮味を感じられるところか。

一方今回のグラフで新たに加えた、有料音楽配信のミリオンセラーは(3年分しかデータが無いが)減る傾向にある。ただし購入までの手間的なハードルが低く価格も安く、場合によっては一人が何度も購入する場合もあることから、ダブルミリオン(200万)・トリプルミリオン(300万)作もいくつか見られる。ちなみにダブルミリオンは「そばにいるね」(青山テルマfeat. SoulJa)の着うたフル、トリプルミリオンは「キセキ」(GReeeeN)の着うたである。

なお詳しくは別所であらためて解説するが、携帯電話向けの有料音楽配信においては、配信回数そのものは横ばいを見せている。その上でミリオンセラーが減っているということは、こちらもやはり他所多様化が進んでいるものと思われる。



2008年はかろうじてアルバムのミリオンセラーが増加傾向を見せるという結果に終わったが、大勢に変化は無いものと思われる。すなわち1990年後半にピークを迎えたシングル、そしてアルバムCDのヒットセールスは漸減し、さらに21世紀に入ると趣味趣向の多様化や音楽配信メディアの多角化などが原因で、ミリオンセラー数は減少の一途をたどっているという状況だ。

かつて宇多田ヒカルの初アルバム『First Love』が初回出荷280万枚、1999年年だけで800万枚を超えるヒットを記録した。このような「超ヒットセラー」は、よほどのことが起きない限り二度と起きないだろう。それどころかトリプルミリオンですら難しい。

音楽供給の媒体がデジタルに移行しつつあり、それと共に購入までのハードルが低くなり「”ちょっと”気になったらすぐダウンロードで買おう」という行動が出来るようになった。皆が同じ曲に振り向き、我も彼も同じ曲を買い求めるという状況は、それこそ「銀河の歌姫」でも登場しない限り(笑)、いにしえの出来事として語り伝えられるのみになってしまうのかもしれない。

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