取引を積極化するグループの増加(2009年3月個人投資家動向)

2009/04/03 05:30

【野村證券(8604)】の金融経済研究所は4月2日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2009年2月計測分、PDF】)。「ノムラ個人市場観指数」は先月比で上昇を見せ、先月と比べて個人投資家の投資意欲が高まっている傾向が見られるとのこと。

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今調査は1000件を対象に2009年3月20日から23日に行われたもので、男女比は70.7対29.3。年齢層は40歳代がもっとも多く35.4%、ついで30歳代が25.7%、50歳代が23.0%など。金融資産額は1000万円-3000万円がもっとも多く25.6%、200万円以下が21.2%、200万円-500万円が19.9%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く34.4%を占めている。次いで5年以上が21.4%、1年から2年未満が15.8%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く51.5%と過半数を占めている。ついで配当や株主優待が25.5%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月より上昇。直近の株価推移において1000円-2000円の上昇を見る意見が増加。
・取引を積極化するグループの増加。個人投資家の株式投資に対する意欲の向上。
・市場や心理的要因、国内景気や企業業績への見方が大幅に改善。
・魅力的な業種は「医療、へルスケア」。ただし先月と比べると強度は低下。
・個人投資家は株主優待へ肯定的な見方を持つ割合が大きい。
という形に。3月は2月同様に株価が不安定な状態を続けているものの、後半期においては数字がやや回復の兆しを見せている。これは海外勢(投資ファンドなど)の換金売りであるレパトリ(機関投資家などによる海外への投資の自国還流の動き)がほぼ終わったことによるものと思われる。金融市場そのものの周囲環境自身には大きな変化はなく、不安要因は継続したままなので、注意が必要になる(もっとも市場が「危機」の連呼に飽きた・聞きなれた感もある)。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月衝撃の展開となったトップの入れ替えは「三日天下」ならぬ「一か月天下」だったようで、今月は再び定番の[トヨタ自動車(7203)]が最上位についた。しかも第二位との回答数差は2倍と、大きな差をつけている。また、上位5位以内に2社も金融セクター銘柄が入っているあたり、市場回復への期待感が高まっているともいえる。さらに【東京電力(9501)】が今月は第二位の地位を確保し、上位陣の常連となりつつある。株価の大幅変動に疲弊した個人投資家のディフェンシブ系銘柄への憧れなど、昨今の市場動向をかいま見る結果ともいえよう。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……【東京電力(9501)】
3位……[任天堂(7974)]
4位……【三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)】
5位……【みずほフィナンシャルグループ(8411)】
前回5位以内に収まっていた【日本マクドナルドホールディングス(2702)】はギリギリ圏外。とはいえ上位にあることに違いはない。株価も安定し、景気後退時期にも強い業績力を買われ、(どちらかといえば資産が豊富な)個人投資家の間からも注目を集めるようになったのだろう。

上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。先月トップから外れた[トヨタ自動車(7203)]は初の減配をするのではないかなど、業績不振に関する報道が毎日のように行われている。市場そのものが世界規模で低迷しているのだから、業績の悪化は仕方ない。このような中でも「注目銘柄」として返り咲いたのは、株価そのものが底打ちを見せつつあること、そして同社の底力が再認識されつつあるからなのかもしれない。

とりあえず3月では、投資家のマインドはやや改善しつつある結果となった。市場動向が今後どのような動きを見せるかは、不確定要素が多く判断がつきにくい。それでも市場心理の改善は決して悪いことではない。「雰囲気」が市場そのものを形成し、「結果」が後からついてくることも往々にしてあるからだ。今後の展開には大いに期待したいところではある。

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