飛行機が教室になった学校

2009/04/01 07:55

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飛行機イメージ電車やバス、飛行機に乗るのは何歳になっても楽しいもの。ましてや子どもなら、行き先がつまらない(!?)授業やテストをする羽目になる学校でも、なぜかワクワクしてしまう。その「ワクワク感」が授業中もずっと受けられたらどんなに楽しいことだろうか。【Mail Online】ではそれを実践した学校の話が紹介されていた。


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学校に運ばれる飛行機の胴体部分(上)と、「空飛ぶ教室」が到着して喜ぶ子どもたちと先生(下)
学校に運ばれる飛行機の胴体部分(上)と、「空飛ぶ教室」が到着して喜ぶ子どもたちと先生(下)


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該当する学校の地図。じきにこの地図にも「飛行機教室」が反映されるのだろう。

この「飛行機教室」が設置されたのは、イギリスのキングスランド小学校(Kingsland Primary School)。

利用された機体は全長25メートルほどの小型旅客機。イギリスと、スペインやアイルランドなど比較的近距離の航空路で飛行時間にして数千時間、旅客機として活躍をしたあと、廃棄処分にされるところを地理学習室用の教室としてあてがわれることになった。価格は2万ポンド(285万円)以下。普通の教室を他所から持ちこむような場合にかかる費用の半額以下で済んだ。

教頭のDavid Lawrence氏は、今回運ばれたのは胴体部分のみだが、後に翼も取り付けられ、ホワイトボードや机、椅子、パソコンなどが設置され、30人ほどが収容できる地理学習として整備される予定だと説明している。いわく「校舎の外に新しい教室を設置したいという考えは前からあった。そこで生徒たちと相談したところ、『飛行機がいいナ』という意見が出たので、何か良いものはないかと物色していたんだ」。

細部に分解することなく、大型トレーラーに運ばれてきたその機体は、その行程でさまざまな騒動を引き起こした。道からはみ出たり、電柱にぶつかったり、民家の壁を破損したり……。かつての飛行機としてのフライト以上の困難を乗り越え、ようやく小学校に到着した機体を目の前に、待ち構えていた子どもたちは興奮のるつぼと化した。11歳のConnor Myatt君は「なにこれ、信じられないよ、マジで!?(This is really funny, I can't believe what I have just seen.)」と興奮しつつ感想を語る。

Lawrence教頭は「飛行機教室は自分が考えたのではなく、生徒が発案したもの。でも物事というのは常に想像した通りにいくとは限らない(※ここではちょっとした思い付き程度、冗談半ばで提案したことが実現して、想像以上の素晴らしさに驚く、という意味)。この飛行機教室はきっと、子どもたちにとって素晴らしい宝物になるだろう」と誇らしげに語っている。

実はこの「飛行機教室」、イギリス政府の芸術教育を後押しするプロジェクトCreative Partnershipsの一貫として行われている。担当のRachel Billington氏は今件について次のように語っている。

子どもたちはアイディアを思い浮かべてそれを口にし、そして私たちはそれを現実のものにした。そのプロセスと結果こそが、我々が求め、そして子どもたちに示したいものに他ならない。つまり、「大きな希望・願いがあれば、それを実現させることは決して不可能ではないと」という事実を子どもたちに知ってほしかった。
('One of the pupils came up with the idea and we've managed to make it a reality. It's going to be here for years, and it shows the kids that if they have big aspirations they can make them happen.')

ちなみに、機体を運ぶ際に接触事故を起こし、家の壁の一部を破損させられたPaula Brannigan嬢は、むしろ自分の家の修理のことで気持ちが一杯。

「飛行機衝突事故」で住宅に被害が
「飛行機衝突事故」で住宅に被害が

「本当に驚いたわよ。家の中にもギシギシという壁が削られる音が響き渡ったもの。子どもは家にいなかったけど、猫はとても驚いていたわ」。なおBrannigan嬢の家の壁と寝室の窓が「飛行機事故」で被害を受けたものの、学校側はすでに損害分について賠償すると説明しているという。


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