気温高めで衣料品や住関品が従来以上に苦戦…2009年2月度チェーンストア売上高、マイナス5.4%

2009/03/24 04:50

【日本チェーンストア協会】は3月23日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2009年2月度における販売統計速報を発表した。それによると2月は景気後退感のさらなる高まりで消費者の節約志向も一層強まる傾向にあり、その上気温が比較的高めに推移したことで衣料品や住関品が従来以上に苦戦、営業日そのものも前年に比べて1日少なかったことが悪影響を及ぼし、総販売額は前年同月比で三か月連続して下回る結果となった。2月は鍋物などの季節商材の動きも鈍り、食料品も前年同月比でマイナスの動きを見せている(【発表リリース】)。

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今調査結果は協会加入の70社・8786店舗に対して行われている。店舗数は先月比で8店舗増、前年同月比で130店舗増。売り場面積は前年同月比101.9%と1.9%ほど増えている。今月は企業数・店舗数共に増加しており、先月の「共に減少」から逆転現象が起きている。単なる揺れ戻しかもしれない。

分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。

■総販売額……9526億2978万円
・食料品部門……構成比:66.4%(前年同月比97.0%、▲3.0%)
・衣料品部門……構成比:9.3%(前年同月比84.5%、▲15.5%)
・住関品部門……構成比:18.5%(前年同月比92.4%、▲7.6%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比97.6%、▲2.4%)
・その他…………構成比:5.5%(前年同月比93.2%、▲6.8%)

食料品も下げ幅は
小さいものの下げに転じる。
衣料・住関の売上は
下落スピード加速へ。
2月は1月以上に景気後退感が肌身に感じられて消費者の生活防衛への気合が高まる状況だっただけでなく、気温が高めに推移して冬物、さらには鍋物商品など食料品部門へのニーズですら軟調に推移し、唯一の優良部門だった食料品も前年同月比でマイナスに。特に衣料品の不調さは15%以上の下げと、目も当てられない状態にある。

具体的品目としては食料品はトマトやキャベツなど、輸入牛豚肉は堅調だったものの、鍋物系の食材は一様に不調。バナナなどはまだ売れている。惣菜は揚げ物やサラダが好調。1月に好調だった鍋物系が不調に終わったのはダメージが大きい。

衣料品は季節商品のシャツ、学生服、またレイングッズの動きはよかったものの、全般的に不調。住関品は男子玩具や台所用品などの小物、健康食品やメイクアップ商品などが堅調。先月同様、【自転車の販売動向をグラフ化してみる】でも挙げたように、自転車の売上は伸びている。

景気の後退と共に商品の価格に敏感となった消費者が「各種類店舗毎に購入アイテムを見極め、安いものだけを購入する」「特売をしても他の商品へは見向きもしない」行動パターンを強めていることはすでにお伝えしている通りだが、今月は(一部でも期待できる)「客引き」の食料品そのものですら軟調を示したために、全体もいつもよりさらに落ち込んでしまっていることが分かる。

発表上のデータばかりでは何なので、実は先日、当方(不破)自身が通院の帰りがけに大手の某デパートに立ち寄り、すべての階を一通り回ってみた。現場のリサーチを、としゃれ込んでみたのだが、食料品のある(地下1階)はお客・従業員共に活気に満ちあふれていたものの、住関品・衣料品コーナーは閑古鳥が鳴いていた状態だった。むしろ店内のBGMがあまりにもストレートに聴こえすぎて、「すわ、この階は開店前だったか?」と誤認してしまうほど。

そのデパートでは一般的な店舗同様に地下1階が食料品売り場で、その上が住関品・衣料品などの階だったのだが、お客の流れも直接食料品のある地下へ直行する人ばかりで、一階より上には誰も足を運ぼうとはしていなかった。商品の品揃え云々以前の問題で、地下の食料品店群以外は「お客のニーズがまったくないのでは」とまで思えてしまうほどだった(本屋には数人立ち読み客がいたが)。

「色々な場所を比較して、安いものだけを安い場所で買う」という消費者の行動パターンは、すべての業種に影響を及ぼしている。百貨店でもスーパーやデパート同様に「大変な状況」にあるのは報道などで伝えられている通り。不景気の進行やライバルセクターの登場(ネット通販やアウトレットモール)など外部環境の激変、消費者の財布のヒモが固くなったことで、販売側もこれまで通りでは立ち行かなくなってしまっている。スーパー・デパートの場合には住関品・衣料品部門における大きなマイナス、すなわちお客のニーズとのミスマッチを早急に解消しなければならない。

あるいは景気後退の期間は思い切って開き直り、衣料品と住関品の凋落分を補えるほど食料品が売れるような仕組みをほどこし、耐え忍ぶという手もある。あくまでも考え方の一つだが「勝てそうにない土俵では防戦一方で乗り切る」「勝てる土俵で徹底的に勝つ」のも戦術の一つではないだろうか。

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