20万円・70平方メートルが境界線! 東京23区内の賃貸住宅家賃の変化は二極化へ

2009/03/17 07:50

賃貸住宅イメージアトラクターズ・ラボは2009年3月13日、東京23区の賃貸住宅における賃料改定状況調査の結果を発表した。それによると東京23区における賃貸住宅では、総計で20万円未満の物件はほぼ家賃改定時においても変更額がゼロに等しいが、20万円を超える高級賃貸物件になると家賃改定の際に家賃を下げる傾向が見えてくることが明らかになった。しかも賃貸料が大きいほど下げ率(下げ額ではない)も大きくなるなど、「高級賃貸住宅離れ」を予見させる結果となっている(【発表リリース】)。

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今調査はアトラクターズ・ラボの賃貸住宅データベースを用いて集計したもので、対象期間は2008年10月-12月期のもの、対象データは東京23区内。同一住戸における前回募集賃料(入居・退去を経たもの)と今回募集賃料とを比較している。例えば同額だった場合、値は0%となる。前回・今回募集時期の平均期間は1年5か月、サンプル数は1万6179戸。

調査結果では「賃料帯別」「面積帯別」「賃料帯別における都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)と他区地域比較」それぞれについてデータが公開されている。それらをまとめると、次の通り。

東京23区全体・賃料帯別賃料改定率
東京23区全体・賃料帯別賃料改定率

・家賃価格帯では20万円未満は安定、それ以上は高額ほど値引率も高くなる。
・面積帯では70平方メートル未満は安定、それ以上は広面積ほど値引率も高くなる。
・ビジネス街に近く交通の便も良いなどで人気の高い都心5区ほど、賃料の値引率が高くなる。

つまり空き室率を別にすれば、この不動産市場の急落の中でも、「20万円未満・70平方メートル未満」のごく一般的な家庭層向け賃貸住宅物件では、さほど相場に変わりは無いことが把握できる。逆に、高級志向の物件は賃貸価格が高いほど値引率も高くなり、これが市場全体の下落における主要因であることが分かる(とはいえ、売買不動産物件の下落と比べれば、賃貸物件の下落率はスズメの涙ほどのものだが)。

・一般賃貸住宅の
需給バランスは維持
・高額賃貸住宅は
需要が減り、値下げを
余儀なくされている
今データには空き室率は配慮されていないが、基本的には希望入居者が集まらないから賃貸料を下げる・入居者が集まる可能性が高いので家賃を据え置くという「市場原理」を考えれば、いわゆる「安定層」における空き室率は低く、「高額層」では高めであることが容易に想像できる。言い換えれば、普通に居住する賃貸物件はこれまで同様にそれなりの需給バランスが維持されているが、ぜいたく志向の強い高額賃貸物件では景気後退のあおりを受け、需要が減退(住居へのぜいたくを減らさざるを得なくなった)ものと考えられる。

「不動産不況」と呼ばれる昨今だが、賃貸住宅の動向ひとつをみても、このように「一から十まで全部不況のあおりを受けている」というわけではない。その事実をあらためて知ることができるデータといえよう。


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