男女や世代で異なる、テレビやインターネットの「CD購入時に与える影響力」(2009年発表)

2009/03/16 04:35

先に【テレビがCD購入に与える影響力はインターネットの2-3倍!】で、(ジャケット入りの)音楽CDの購入に与える影響力が、テレビはインターネットの数倍に及ぶ話を取り上げたところ、もう少し具体的な比較データが欲しいという意見をいくつかいただいた。そこで今回はいくつかの項目や年齢階層に的を絞り、グラフ化して比較し、傾向の一部を再確認してみることにした。

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用いたデータは日本レコード協会が2009年3月12日に発表した、2008年度における音楽メディアのユーザーに対する実態調査の結果(【該当リリース】)。2008年10月に東京30キロ圏内において質問紙による面接留置き自記入式で行ったもので、有効回答数は1200。男女比は1対1、年齢階層は中学生・高校生・大学生・20代-60代まで均等割当。ただし実際の人口構成にはばらつきがあるため、「ウエイトバック」と呼ばれる統計手法で人口構成比にあわせた係数をかけている。

全項目をグラフ化したのではいくら軸の長さがあっても足りない。そこで「4大既存メディア」「新メディア」「クチコミ・リアル」の3項目に大別した上で、代表的なものや回答率の高いものをいくつか抽出し、その数字をグラフ化した。CD購入のきっかけとなるものとしては、やはり「テレビ番組(音楽)」「テレビCM(楽曲CM)」の影響力が大きい。

CD購入のきっかけになるもの(全体)
CD購入のきっかけになるもの(全体)

興味深いのはFMラジオが大いに健闘し、動画共有サイトYouTubeなどと比べて倍近い力を持っていること。また、クチコミによる影響力も大きく、全体で見れば新メディアをはるかに凌駕(りょうが)する値を示している。

すべての年齢階層に押しなべて好かれる、あるいは知らしめたい音楽CDなら、「テレビとFMラジオ、念のためにコンサート」に重点をおいてプロモーションをかければ、効率の良い反応を得ることができる(友人つながりのクチコミは自然発生的なものに任せるしかない。バスマーケティング云々はまた別の話)。

しかしこの値はあくまでも老若男女すべてを合わせた全体の値。階層別に見ると大きな違いがあるのが分かる。例えば男女別に分けてグラフを作り直すと次のようになる。

CD購入のきっかけになるもの(男女別)
CD購入のきっかけになるもの(男女別)

テレビ関係は男性より女性の方が、ラジオや専門誌は逆に男性の方が影響力が強い。新メディアではアーティストの公式サイトは女性が影響を受けやすいが、YouTubeはその逆で、男性の方が強い影響を与える結果が出ている。特異的な値としてはコンサートやライブで、女性が男性の3倍近い値を示している。ライブ感に心が奪われるような、感情的な行動は女性の方が可能性が高い、ということだろう。

さらにこれを、全年齢階層……はさすがに煩雑に過ぎるので、色々とお多感な年頃の高校生と、当サイトでもっとも人数の多い読者年齢層である30代に限定したのが次のグラフ。

CD購入のきっかけになるもの(高校生と30代男女別)
CD購入のきっかけになるもの(高校生と30代男女別)

テレビにおいて男性よりも女性の方が影響を受けやすいのは全体像と同じだが、その他の部分で「FMラジオは30代、特に男性の人気が高い」「アーティストの公式サイトやブログ、着うた、YouTubeなどに高校生、とりわけ女子高生はCD購入を後押しされる」「高校生にはクチコミ効果はきわめて高い。男子高校生に限ればテレビドラマ並の威力を発揮する」などの特徴が見られる。



個人(=不破)的に意外なのは2点。まずは「30代にFMラジオの人気が集まる」。グラフは略するが、これは30代に限らず、男性は20代以降、女性は30代以降に見られる傾向で、特に男性は大きな影響を受けている。4大メディアの中でラジオが意外にも注目を集めている一因には、このあたりがあるのかもしれない。

FMラジオは成人男性に、
アーティストの公式サイトや
着うた、YouTubeは女子高生へ
CD購入を後押しする
もう一点は「女子高生がデジタルメディアでCD購入の後押しをされていること」。アーティストの公式サイトや着うた(フル)はまだ理解できるが、YouTubeにおいても男子高校生以上に大きく影響を受けているとはまったく想定し得ない結果でしかない。直接YouTube上から探しているのか、ブログなどに貼り付けられた動画を観ての結果なのかは分からないが、ネット経由でのクチコミ効果が女性に大きな影響を与えている一つの事例として注目されよう。

例えば(今データの限りにおいては)高校生をターゲットにした曲のCDを展開する場合、テレビ番組への露出は鉄板の方法だが、アーティストの公式サイトをしっかりとしたものにしたり、着うたなどを充実しYouTubeなどにプロモーション動画を展開することも有効という仮説が立てられる。年齢階層・性別により、CD購入の際に影響を受ける媒体やその割合は大きく異なる。オールマイティカードたるテレビに頼るばかりでは能が無い、というところだろう。

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