音楽番組と楽曲CM、ドラマを抑えればCDは売れる!? その影響力を探る(2009年発表)

2009/03/16 04:30

日本レコード協会は2009年3月12日、2008年度における音楽メディアのユーザーに対する実態調査の結果を発表した。それによると、CDを購入するまでのいくつかのタイミングにおいて、テレビ、特にテレビCM(コマーシャル)や音楽番組の影響が極めて大きいことが明らかになった。「テレビCM(楽曲)」と「テレビ番組(音楽番組)」の二項目が購入までの各プロセスで上位を独占しており、その効果が絶大であることがうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は2008年10月に東京30キロ圏内において質問紙による面接留置き自記入式で行ったもので、有効回答数は1200。男女比は1対1、年齢階層は中学生・高校生・大学生・20代-60代まで均等割当。ただし実際の人口構成にはばらつきがあるため、「ウエイトバック」と呼ばれる統計手法で人口構成比にあわせた係数をかけている。

一般の商品を消費者が購入するまでには、いくつかのプロセスを踏む必要がある。まずは何らかの形でその商品のことを知り(認知)、興味関心を引くようになり(興味)、そして購入意欲が高まって買う決断を下す(購入)という下りだ。CDを手にするまでのこの3プロセスにおいて、それぞれでもっとも多いきっかけについて答えてもらったところ、「認知」ではテレビCM(楽曲のCM)がついたのをはじめ、テレビ関連の項目がほぼ上位を独占した。

CD購入までの3プロセスにおける、「もっとも多いきっかけ」。テレビ関係は数字をピンクで塗り、同じ項目を赤線で結んだもの(同様に直接のクチコミは数字が黄色、同じ項目を緑で結んでいる)
CD購入までの3プロセスにおける、「もっとも多いきっかけ」。テレビ関係は数字をピンクで塗り、同じ項目を赤線で結んだもの(同様に直接のクチコミは数字が黄色、同じ項目を緑で結んでいる)

特に「テレビCM(楽曲)」と「テレビ番組(音楽番組)」の効果は絶大で、すべてのプロセスにおいてトップと2位を確保。購入プロセスですらあわせて1/4もの意見をとりまとめている。また、最近はあまり見られなくなったが「人気の出たドラマの主題歌が売れる」パターンを裏付けるかのように、「テレビ番組(ドラマ)」も「興味を持つきっかけ」以降は第三位を維持している。「ドラマが好き」=「ドラマで流れた曲が好き」という図式が成り立つのだろう。

テレビでCDを流行らせたければ
楽曲のCMか音楽番組、ドラマの主題歌を
一方、ドラマと同じように直接曲とは関係のない「テレビCM(一般商品のCM)「テレビ番組(情報番組)」も、「認知」や「興味」の辞典では比較的順位が高い。しかし元々注目を集めているテレビの内容との連携性が薄いためか、「購入」のプロセスにおいては順位をかなり下げているのが分かる。

先に【テレビがCD購入に与える影響力はインターネットの2-3倍!】でお伝えしたように、テレビがCD購入に与えるきっかけは相当なものがある。これは「認知」や「興味」「購入」すべての面において、高い影響力を持っているのが原因なのだろう。



やや余談になるが、数字を黄色で着色した「友人」「家族」も、案外健闘している。「購入」の段階ではコンサートやライブよりも高い影響力を持っている。クチコミもあなどれぬというところだろう。

さらに、着色は省略したが「FMラジオ」の力も見逃せない。「認知」では第三位、「興味」でも第四位、「購入」では第五位のポジションを占めている。「テレビCM(楽曲)」と「テレビ番組(音楽番組)」には劣るものの、テレビに次ぐ影響力を持っていると見てもよい。

デジタルメディアの情報伝達は
「すぐに手に入る」音楽配信向き。
手にするまでに時間がかかる
CD販売にとってはテレビやラジオの
影響力には現時点ではかなわない
一つ注意しておくとすれば、今件の影響力云々は「物理的な商品としてのCDのセールスを対象とする」もの。【音楽CDの売れ行き推移をグラフ化してみる】にもあるようにCDの売上は漸減する中で、音楽配信は伸びる一方。そしてデジタルメディアによる情報は、どちらかといえば、デジタルメディア内における購買意欲にダイレクトに結びつく(お気に入りの曲を見つけた視聴サイトの中に、ダウンロード販売ボタンがあれば、それを利用してすぐに全曲を聴きたくなるもの)。今回のリストにインターネット絡みの項目がほとんど入ってなかったとしても、何らおかしいものではないということだ。

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