テレビがCD購入に与える影響力はインターネットの2-3倍にも(2009年発表)

2009/03/15 09:50

日本レコード協会が2009年3月12日に発表した、2008年度分における音楽メディアのユーザーに対する実態調査の結果によると、CDを購入するユーザーは4大既存メディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)においては、テレビによる「きっかけ」が絶大なものであることが明らかになった。特に音楽番組やテレビコマーシャル(CM)、ドラマに登場する曲が購入のきっかけになることが多い傾向が見られる。一方で中堅層以降の男性においては、ラジオによる影響力もかなり高いことが判明している(【発表リリース】)。

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今調査は2008年10月に東京30キロ圏内において質問紙による面接留置き自記入式で行ったもので、有効回答数は1200。男女比は1対1、年齢階層は中学生・高校生・大学生・20代-60代まで均等割当。ただし実際の人口構成にはばらつきがあるため、「ウエイトバック」と呼ばれる統計手法で人口構成比にあわせた係数をかけている。

「CDを買うきっかけには何があるか」について、既存4大メディアやCD店、友人や家族などのクチコミ、イベントや書籍などさまざまな切り口で回答してもらっているが、今回は「既存4大メディア」にスポットライトをあててみる。


CDを買うきっかけについて(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌絡み)
CDを買うきっかけについて(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌絡み)

・全体的に映像、音声メディアは若年層、紙媒体は中堅層以降が影響を受けやすい
・テレビの影響力は絶大。特に若年層-中堅層に対する影響力が大きい。
・男女間ではテレビは女性、ラジオは男性が影響を受けやすい。
・テレビコマーシャルは主に男性20-30代と限定されるが、女性は40代までの幅広い層で影響される。
・テレビのバラエティ番組は中学、高校生にしか影響を与えず、その割合も小さい。
・新聞広告は50代以降の高齢者に影響がある。

直接曲の全部、あるいは一部を試聴できること、そしてテレビの場合は映像による演出も購入動機を後押しすることから、「CDの購入」という行動へのきっかけとしては、テレビが大きな影響力を持つことがあらためて確認できる。先の【YouTube、CD購入へ大きな影響あり・公式サイトやアーティストブログ並】の数字と比較しても軒並み2倍前後の値を示しており、テレビとCD市場が非常に良い相性を示してることが理解できよう。

特に中堅層までの女性陣に強い影響を及ぼしている結果を見ると、女性の若年層向けの楽曲やアーティストによるCDは、テレビを中心としたプロモーションを行うことで最大限の効果が狙えることだろう。

一方で(広告費などで比較できる)媒体力がテレビと比べれば小さいラジオでは、中堅層以降の人、特に男性に対し、CD購入の「きっかけ」を与えていることが分かる。数字そのものは同年代におけるテレビの影響力と比べれば小さいが、費用対効果まで考えると効率は決して低いとはいえない。ラジオ広告費の減少率が他の3大メディア(テレビ、新聞、雑誌)と比べておとなしいのは、このような状況、つまり「絶対量としての拡散力はテレビにかなうまでもないが、そこそこな影響力が狙えて費用対効果が高い」「可処分所得の比較的大きい中堅層以降をターゲットにできる」あたりにあるという推測は、十分説得力のあるものとして提起できる。



CDの購入動機はそれ自身の曲の耳障りの良さ、アーティストへの憧れ以外に、容易に状況が想像できることにもある。単なる情景のBGMを先行して渡されてもあまり興味は沸かないだろうが、自分が好きなアニメやドラマでそのBGMが使われたら、つい手を取ってしまう人も多いはず。

CDの売上減は
最良のプロモーション媒体の
テレビで音楽やドラマが
控え気味になったのが一因?
そのような観点と今回のデータをあわせ比べると、テレビ番組においては音楽番組やドラマと、CDの相性は非常に良い(だからこそ先の記事にもあるように、インターネット分野ではテレビに類する状況を提示できる動画共有サイトYouTubeなどが、CDとの相性が極めて良い)。この特徴を最大限に活かすには、もっと音楽情報番組やドラマを放送してしかるべきなのだが、昨今では「視聴率が取れない」「予算がかかる」との理由からこれらの番組は敬遠される傾向にあるという。

視聴率が取れない云々はテレビ局の制作サイドにも問題があるのだろうが、これら「ドラマや音楽番組からの忌避」が、音楽CDのセールスが落ち込む一因なのかもしれない。

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