新聞を毎日読む人6割強、二十歳以下では3割に達せず

2009/03/14 09:45

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新聞イメージ財団法人新聞通信調査会は2009年3月6日、「メディアに関する全国世論調査」の結果を発表した。それによると、新聞の朝刊を週に1日以上読む人は8割を超えていることが明らかになった。毎日・ほぼ毎日読む人も6割を超えており、全体としては多くの人が新聞を閲読していることがうかがえる。その一方、年齢階層別では高齢者ほど読む割合が上昇し、60代以降は8割以上が毎日・ほぼ毎日読むと回答している(【発表リリース、PDF】)。


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今調査は2008年12月に住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって選ばれた18歳以上の男女個人3000人に対して専門調査員による訪問留置法で行われたもので、有効回答数は1906人。男女比は47.7対52.3で、男女比は30代以上が10歳ごとにほぼ均等割当、18-19歳と20代はやや少なめとなっている。(18-19歳が44人、20代220人など)。

今調査では新聞に主軸をとらえた上で各種メディアに対するさまざまな考え、各メディアが日常生活でどのような立場にあるのかなどについて尋ねている。今件では新聞(朝刊)の閲読率にスポットライトをあててみる。

新聞(朝刊)の閲読率について尋ねたところ、全体では「毎日・ほぼ毎日」読む人が66.9%と約2/3を占めていた。「購読」ではなく「閲読」という表現をわざわざ用いていることから、自分では購入しなくとも会社で調達された新聞を読むパターンなども含めているものと思われる。

新聞の閲読頻度(朝刊)
新聞の閲読頻度(朝刊)

毎日は閲読しなくとも週に数回読む人までをも合わせると、実に9割近い人が新聞を週一以上で読んでいる計算になる。

ただしこれも、年齢階層・男女別でみると大きな違いが見えてくる。男女別ではやや男性の方が比率が高く、年齢階層別では歳を経るにつれて新聞閲読率が上昇する。特に60代以上の高齢層では8割以上が「毎日・ほぼ毎日読む」と回答するなど、他の調査機関の結果同様「高齢者」の朝刊閲読割合が極めて高いことが分かる。

新聞の閲読頻度(朝刊)(男女・年齢階層別)
新聞の閲読頻度(朝刊)(男女・年齢階層別)

グラフ中に注釈を加えてあるが、高齢者の新聞閲読率が極めて高い一方、若年層の比率は対照的なまでに低い。20代までで新聞を毎日・ほぼ毎日読む人は4-5人に1人しかおらず、全体の平均に対して1/3、60代以上の高齢者に対しては1/3-1/4でしかない。さらに「週に一度以上」というゆるい制限で区切っても、20代までは2人に1人程度は「新聞を読まない」と回答しており、いかに現在の若年層が新聞離れを起こしているかがあらためて確認できる。

「若年層の新聞離れ」は
「情報への関心の希薄化」
「教養への努力の怠り」を
意味するものではない
これが一昔前なら「教養への努力が足りない」のお叱りの言葉で片付けられるのだろう。しかし、今調査の他項目で触れられているように現在ではインターネットをはじめとした多種多様な媒体が存在すること、生活習慣の一部として認識されていないこと、さらには「新聞」に対する信頼性の問題が年齢層によって異なることが、若年層の新聞離れを起こしている要因として想定される。つまり「若年層が情報への関心が薄れたり教養への努力が足りない」のではなく、「関心や教養に対する対象が変化しつつある」だけに過ぎないというわけだ。

新メディアの登場により、ライバルが増えたことによる新聞の立ち位置の不安定化は仕方の無いものといえる。新聞サイドはむしろ、その状況を新聞の活性化に結びつけることが出来ない現状や、新メディアと比べて敬遠される理由を考え直さねばならないのだろう。


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