未上場で有名な企業の業績をグラフ化してみる……(2)秋田書店やダイヤモンド社、文芸春秋など

2009/03/11 19:45

グラフイメージ先に【講談社・徳間書店・旺文社の業績をグラフ化してみる】【文教堂HD(9978)】の第三者割当増資のリリース(【第三者割当による新株式発行に関するお知らせ、PDF】)をもとに、3出版会社の業績をグラフ化し、直前の記事ではそれに補完する形でいくつかの出版社の業績グラフを生成した。今度は『会社四季報 未上場会社版』の最新版をもとに、上記2記事などで掲載していない、かつ目に留まった出版社について業績チェックを入れることにする。なお各種データは基本的に「会社四季報 未上場会社版」からのもので、各社が自ら公開したものではないため、後者についてはその確かさを検証する手立てが無い。実際のデータとは差異が生じている可能性があることをあらかじめ書き記しておく。また今記事においては各種データが揃っていない(例えば売上高のみ)ものも掲載する。

スポンサードリンク


ぎょうせい
「フォーブス日本版」や、各種法令関連の専門書を発行。会社の総務・事務系の人なら、必ずここの書籍にお世話になっているはず。

ぎょうせい(単位:億円/売上高のみ10億円)
ぎょうせい(単位:億円/売上高のみ10億円)

2006年9月が空欄になっているが、これは旧ぎょうせいがワールド・アート・ギャラリーと合併したため。2006年9月以前は旧ぎょうせいの値。そのため単純比較はできないが、本業の売上が落ちる中でも最終的な利益を伸ばし、財務体質の強化を図っているようにも見える。

秋田書店
「週刊少年チャンピオン」などをはじめとする、コミック誌を発刊。文庫や児童図書なども展開。硬派なイメージが強いが、最近は一部誌で軟派なところも見せる。

秋田書店(単位:億円/売上高のみ10億円)
秋田書店(単位:億円/売上高のみ10億円)

残念ながら秋田書店は売上高しか公開されていない。しかも値が10億円単位での区切りでしかないことから、「大まかな値」であることが容易に想像できる。とはいえ、売上高が漸次落ち込んでいるのが気になる。

主婦の友社
社名と同名の雑誌は2008年5月に休刊してしまったが、女性誌の出版社としては老舗中の老舗の存在。

主婦の友社(単位:億円/売上高のみ10億円)
主婦の友社(単位:億円/売上高のみ10億円)

こちらは営業利益のデータが欠けている。つまり本業の出版業でどれだけの利益をあげているかは分からない。とはいえ、経常・純利益とも漸次マイナスを示しているのが気になる。なお2005年3月期から2006年3月期にかけて、売上がほぼ倍増し、利益が大きく減少しているのが見られる。社歴に記載は無いが、負担の大きい子会社を連結対象にしたか、あるいは新子会社を設立したのかもしれない。

新潮社
文芸出版社としては老舗的存在。文庫などは年間500冊以上を発行する。

新潮社(単位:億円/売上高のみ10億円)
新潮社(単位:億円/売上高のみ10億円)

こちらも残念ながら公開データは売上高のみ。ほぼ横ばいに推移しているが、2008年3月期にはやや下離れしているのが気になるところ。

ダイヤモンド社
「週刊ダイヤモンド」を中核とする、経済や経営書関連の書籍を発刊。

ダイヤモンド社(単位:億円/売上高のみ10億円)
ダイヤモンド社(単位:億円/売上高のみ10億円)

売上高がほぼ横ばいの中で利益を大きく伸ばしていたものの、2007年3月期以降は軟調に推移するように。営業利益の時点で利益が大きく落ちているので、本業の出版事業で色々と大変なのだろう。昨今の経済状況の中では、経済誌は引きが強いはずなのだが。

東洋経済新報社
「会社四季報」「週刊東洋経済」など、経済系の書籍を出版。

東洋経済新報社(単位:億円/売上高のみ10億円)
東洋経済新報社(単位:億円/売上高のみ10億円)

ダイヤモンド社同様に、売上高の減少と共に利益を大きく落とす傾向が続いている。本業ベースでの利益の落ち込み方が大きい。

文芸春秋
最後に文芸春秋。日本を代表する総合出版社の一つ。「週刊文春」や「ナンバー」などを発行し、芥川・直木両賞の主催会社でもある。

文芸春秋(単位:億円/売上高のみ10億円)
文芸春秋(単位:億円/売上高のみ10億円)

売上は漸減。本業の利益である営業利益は2007年3月期あたりでマイナスに転じたと思われるが、この部分のデータだけなぜか欠けているので確証は出来ない。本業以外の利益で純利益を上乗せするスタイルのようだが、それも2008年3月期ではまかないきれず、最終赤字を計上してしまっている。



以上未上場の出版大手7社について、掲載されている業績をもとにグラフ化してみたわけだが、「ぎょうせい」以外は業績を少しずつ落としている様子が見て取れる。特に経済系の書籍に強く、昨今の金融危機では逆に注目を集めるはずのダイヤモンド社と東洋経済新報社までもが、売上・利益が減少気味なのが気になる(ダイヤモンド社は2008年3月期においては、前年期と比べて、純利益以外はやや持ち直しているが)。

なお今回掲載しなかった小学館など一部の出版社については、以前別ルートでデータを入手してグラフ化した【集英社・講談社・小学館・角川4出版社の財務状態をグラフ化してみる】を参考にしてほしい。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー